1、ジフェノ-ルアミン誘導体を新規な三座配位子としてアンチモンの超原子価(hypervalent)化合物を合成した。その中間体がアニオン性の10-Sb-4型化合物であると推定した。また同型のホスホラン化合物との比較検討も行なった。つづいて、6配位ア-ト錯体を調製してその構造について各種NMRスペクトルによって明らかにした。アミン存在下での酢酸銅触媒によるア-ト錯体からの脱炭化水素によるスチボランの再生を見い出した。 2、ジフェノ-ルアミン配位子を用いたシリケ-トの合成を行い、それがケトンの有効な還元試剤となることを確めた。 3、二座配位子(Martin リガンド)を用いてスズのア-ト錯体(10ーSnー5)を合成して、その構造化学的研究およびハロゲン化分解を調べた。 4、二座配位子(Martin リガンド)により4配位アニオンア-ト錯体を調製して、その反応性について調べた。二環性ビスマスア-ト錯体の構造と反応性について調べた。 5、アザビスモシン誘導体における塩化アリ-ルの脱離反応および二塩化トリアリ-ルビスマスにおけるトリエチルアミン存在下での還元的脱離反応それにつづく不均化反応について速度論的に研究した。その結果12ーBiー6型の6配位中間体がこれらの反応の重要な中間体であることが判明した。さらにアザスチボシン、アザビスモシン系における渡環相互作用によるhypervalent総合の生成や幾何異性化などを明確にした。
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