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1989 年度 実績報告書

植物の抵抗機能調節物質の生成機構の生物有機化学的解明

研究課題

研究課題/領域番号 63470020
研究機関北海道大学

研究代表者

村井 章夫  北海道大学, 理学部, 教授 (20000838)

キーワード抗菌性物質 / フィトアレキシン / ジャガイモ / 内因性エリシタ-
研究概要

植物が病原菌に感染した時に、植物自身が生産する抗菌性物質(フィトアレキシン、以下PAと略す)は、病原菌のそれ以上の侵入を阻止する防御物質と考えられている。PA生成を開始させ得る物質は、誘導因子(エリシタ-)と呼ばれる。植物外部由来の外因生エリシタ-には種々報告があるが、植物内部由来の内因性エリシタ-や、PA生成の機構に関する分子レベルでの知見は、ほとんどない。本年度は昨年度に引き続き、ナス科植物であるジャガイモの内因性エリシタ-を単離すべく実験を行なった。昨年度においてジャガイモ(品種リシリ)を過酸化水素で処理後6時間放置した水溶部が保存期間にかかわらず、再現性よく最も強いエリシタ-活性を示すことが明らかとなっていた。又、エリシタ-活性を測定するにあたり、より迅速且つ簡便な方法として硫酸発色法を確立し、従来の生物検定法よりもより信頼のおける検定を可能とした。エリシタ-活性部をメタノ-ル中、-20℃で2ヶ月保存した所、活性の低下が認められた。種々の単離条件の検討の結果、目的とする内因性エリシタ-の化学的性質は以下のように推定される。セファデックスG-15、あるいはG-10のクロマトカラムで、ある程度の分離が得られることより、分子量は1000以下、DEAEセファデックスに吸着し、またその活性を回収できなかったことにより、酸性の性質、もしくは何らかの塩の影響を受ける可能性がある。さらにNMRスペクトルより非芳香族であること、また水-ブタノ-ル可溶部に活性部が移行しないことより、高度に酸化された極性の高い化合物であると推定される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] A.Murai: "Hydrogen peroxide as a primary substance for triggering the phytoalexin production" Phytochemistry.

  • [文献書誌] A.Murai: "Significant Role of Steroids on Phytoalexin Production in Potato" Phytochemistry.

  • [文献書誌] A.Murai: "The Effects of“Aging"on Phytoalexin Production in Potato" Phytochemistry.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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