研究課題/領域番号 |
63470023
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
脇 道典 九州大学, 理学部, 助手 (30037212)
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研究分担者 |
青柳 東彦 九州大学, 理学部, 助教授 (80037267)
大野 素徳 九州大学, 理学部, 教授 (30038434)
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キーワード | プロテア-ゼインヒビタ- / 植物起源インヒビタ- / キモトリプシン阻害ペプチド / トリプシン阻害ペプチド / ペプチド合成 |
研究概要 |
プロテア-ゼインヒビタ-は生体内プロテア-ゼの制御因子として極めて重要である。そのなか植物起源Bowman-Birkインヒビタ-(BBI)はトリプシン(Tsin)およびキモトリプシン(Csin)を同時に阻害する。そこで、BBIの各阻害部位を含む最小活性発現ユニットに着目し、その阻害部位を酵素親和性を保持、分解不能なジペプチドisostereに置換したペプチドを設計、合成し、その阻害能検討より、より強力で新規なプロテア-ゼ阻害ペプチドの探索、開発を目的とする。1.BBI Tsin阻害部位変換Csin阻害ペプチド:BBIのTsin阻害部位(Lys-Ser)をCsinに特異性の高いTyr-Serとしたノナペプチド(1__〜)を母体とし、そのscissileペプチド結合をスタチン型ジペプチドisostereに置換したノナペプチドアナロ-グ(2__〜)を合成目的物とした。(1)ジペプチドisoslere(3__〜):key化合物となる(3S、4S)および(3R、4S)の3__〜の調製は、昨年度見い出した有効ル-トによった。(2)ノナペプチド合成:1__〜および3__〜を導入した(3S、4S)と(3R、4S)の2__〜の調製は、液相法によった。(3)合成ペプチドのCsin阻害活性:阻害能を検討の結果、一方のジアステレオマ-3__〜を含む(3S、4S)ー2__〜のみがCsinを弱いながら阻害した。これは阻害能発現に立体構造的因子の重要性を示す。さらに母体1__〜は既知BBI関連ペプチドのうち最強の阻害能(Ki〜10^<-7>M)を示した。2.立体制約性アミノ酸含有Csin阻害ペプチドの設計、合成:立体制約性デヒドロおよびメタノアミノ酸を含む一連のジペプチドを合成、Csin阻害能、コンホメ-ション解析を行った。これら結果にもとづき、同様の構造をとりうる一連の単純ジペプチドについても検討の結果、その阻害コンホメ-ションを特徴づけることが出来た。例えば、HーDーLeu Phe-OB_2lのKi〜10^<-5>M。これは酵素阻害剤の設計にコンホメ-ションの考察が有効なことを示す。プロテア-ゼ阻害能検討の酵素反応に於て、pHメ-タ-と純水製造装置前処理器としてピュアラインは有用であった。
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