研究概要 |
本研究はマグマ関連物質としてアルカリケイ酸塩、アルカリアルミケイ酸塩を想定し、これらガラスおよび融体の^<26>Si,^<27>Al,^<17>O NMRを測定することにより、構造や拡散・粘性等の動的性質の解明を行うことを目的としている。 1。高温試料プロ-プの設計・製作 高純度アルミナ管に消磁的に白金線を巻いたヒ-タ-を試料・検出コイル領域の上下2カ所に固定した電気炉(試料プロ-プ)を作成した。断熱効率を増すため2重のアルミナ管、高純度ジルコニア粒でヒ-タ-のまわりを囲み、Ti合金製のスタンドで保持した。これらを銅・真鍮製の水冷筒に収めた。全体を既設のBruker MSL200スペクトロメ-タ-本体に組み入れた。800Wの直流電源で試料温度1250℃が達成された。 2。Na_2O-SiO_2ガラス、融体の^<29>SiNMRの測定および評価 種々の組成の上記系ガラスを窒化ホウ素製の試料管に入れ^<29>SiNMRを測定した。室温のガラスではケイ酸塩各種構造ユニットによるケミカルシフトの異方性を反映した幅広い構造をもったスペクトルが観測された。しかし試料温度の上昇と共にこれらユニット間の交換反応が促進され融体においては鋭い一本の吸収線のみが観測された。この結果は計算機シュミレ-ションによっても再現された。更に一部試料ではあるが交換速度の活性化エネルギ-と粘性のそれとの良い対応が認められた。 なお、Al,O等の測定並びにより高温での測定の為SiC,BNなどを材質とするプロ-ブの設計に着手した。
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