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1988 年度 実績報告書

原子及び分子の発光スペクトル分析法による動態解析のためのマルチ測光システムの応用

研究課題

研究課題/領域番号 63470032
研究機関広島大学

研究代表者

山本 学  広島大学, 理学部, 助教授 (40033922)

研究分担者 藤原 照文  広島大学, 理学部, 助手 (80127703)
熊丸 尚宏  広島大学, 理学部, 教授 (50033816)
キーワード発光スペクトル分析法 / 化学発光 / 分離 / イオンクロマトグラフィー / 溶媒抽出法 / 逆ミセル / オンライン / フローインジェクション法
研究概要

原子あるいは分子の発光スペクトル分析法は極めて高感度で検量範囲が広いという利点を持つが、共存物の干渉を受けやすいという問題点がある。そこで、本年度はイオンクロマトグラフィーあるいは溶媒抽出法を組み合わせることにより、干渉物の影響を除去し、これらの発光分析法の選択性の向上を検討し、高感度な実用性のある分析法を開発した。
1)重金属イオンをイオンクロマトグラフ分離する場合には通常キレート化剤を含む溶離液が用いられ、その溶離された金属イオンは錯形成されるため、化学発光(CL)反応に対する触媒効果がマスクされ検出感度が低下する。そこで我々は塩化バリウム溶液を溶離液として使用した。この場合、CL反応に対して一般に用いられる炭酸塩を含む緩衝溶液では沈殿を生じるため、水酸化ナトリウム溶液を用いて最適条件を検討し、フロー方式で1pg/mlという超微量のコバルト(II)を、主な妨害イオンであるマンガン、鉄、銅などから分離して、容易に定量することを可能にし、Anal.Chim.Actaに報告した。また、この方法を応用して銅(II)や鉄(II)などの同時分離定量も可能となる。
2)通常CL分析は水溶液系で行われるが、溶媒抽出法と組み合わせるために、我々は極性の低い溶媒中に界面活性剤を用いてルミノールを可溶化させた逆ミセル系の利用を発案し、ヨウ素がこの逆ミセル中で発光することを見出したので、ヨウ化物イオンの定量に応用した。ヨウ素に酸化した後、シクロヘキサンあるいはクロロホルムで抽出分離し、その逆ミセル溶液と混合して生じるCLの強度を測定することによって、酸化剤や重金属イオン等の共存物の妨害を受けることなく、極微量のヨウ化物イオン(検出限界50pg/ml)を容易に定量する方法を確立した。次年度は、これらの操作をオンラインで組み合わせたフローインジェクション法の開発を行うと共に、実試料への適用を可能にする。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] M.Yamamoto: J.Anal.At.Spectrometry. 3. 441-445 (1988)

  • [文献書誌] F.Nakata: J.Anal.At.Spectrometry. 3. 579-582 (1988)

  • [文献書誌] T.Yamashige: Analyst(London). (1989)

  • [文献書誌] H.Sakai: Anal.Chim.Acta. (1989)

  • [文献書誌] 不破敬一郎,熊丸尚宏 他編:山本学,熊丸尚宏: "最新原子吸光分析(III)最近の進歩" 広川書店, (1989)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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