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1989 年度 実績報告書

Low Temperature HPLによる反応中間体の分離と検出に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63470034
研究機関神戸女子薬科大学

研究代表者

守安 正恭  神戸女子薬科大学, 薬学部, 助教授 (40102107)

キーワードLow Temperature HPLC / ケト-エノ-ル互変異性 / シクロヘキサノン / 置換活性錯体 / 三元錯体生成平衡 / ジチオカ-バメ-ト / ジチゾネ-ト / キサンテ-ト
研究概要

1.シクロヘキサノンを-60℃でHPLCにかけたところ主ピ-ク以外にもう1つの小ピ-クが分離する。このピ-クは分離後加熱して再平衡化した後フォトダイオ-ドアレイ検出器でUVスペクトルを測定すればシクロヘキサノンと同一であるが分離直後変化する前に吸収スペクトルを測定すれば245nmより長波長側に吸収を示さなかった。このことは吸収に乏しい不安定なある化合物とケトン体が平衡関係に存在することを示す。シクロヘキサノンのエノ-ル体はビニルアルコ-ル型でありUV吸収に乏しいことから不安定な化合物はエノ-ル体であることが示唆される。ただ残念なことに目的とした化合物が吸収に乏しく逆にこれから出来た化合物の方に吸収があるため関接的証明になり決定的なものとは言えないのが残念である。
2.Ni(II),Cu(II),Hg(II),Zn(II)等の金属のジチオカ-バメ-ト(DTC)と他の錯体生成平衡を調べた。Ni(II)では室温〜0℃でまた置換活性なCu(II)は-40℃程度で、それより置換活性なZn(II)も-60℃程度でHPLCを行うことにより3元錯体を分離することができた。DTCとキサンゲネ-ト(XAN)、ジチゾン(Dz)等と置換活性で単離し得ない錯体をHPLC上で捕捉しそのスペクトル特性を明らかにすることが出来た。一般に安定な3元錯体を生成する場合その吸収スペクトルは元の両2元錯体とことなり逆に不安定な3元錯体の場合、元の2元錯体の吸収スペクトルの和に近いのは興味深い。また3元錯体生成平衡の平衡定数も測定可能である。Zn(II)、T1(I)等の錯体は安定度定数が小さいため常温ではキレ-トの解離が起こりピ-クを与えないが低温下のHPLCでは温度を下げることによりキレ-ト解離が阻止されきれいなクロマトグラムを与える。Lowーtemperature HPLCはこれらの分析や系の解析には大変都合のよい手段である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Masataka Moriyasu: "Highーperformance Liquid Chromatographic Behavior of Difluoroborane Derivatives of βーDiketones" Anal.Sci.6. 45-49 (1990)

  • [文献書誌] Masataka Moriyasu: "A Semicontinyous Assay of Inhibition of Cyclic-AMP Phosphodiesterase by Benzo[c]Phenanthridine Alkaloids" J,Liquid Chromatogr.13. (1990)

  • [文献書誌] Masataka Moriyasu: "Kinetic Studies of Fast Equilibrium by Means of High-performance Liquid Chromatography.XVIII.Ternary Copmplex Formation of Labile Dithiocarbamate Chelates of Several Metals" J.Chromatogr.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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