研究概要 |
1.昭和62,63年度海外学術調査「ブラジル、ポッソク・デ・カルダスにおける放射性鉱物・希土類鉱物の研究」及びその総括により採集した鉱物試料に基づき、(1)ミナスジェライス州アラシャにおけるカ-ボナタイトの構成鉱物、特に、celadoniteとその周辺にあるdolomite,ankeriteなどの鉱物との化学組成の関連、(2)ゴヤス州カタロンの燐鉱床から得られた地表より約100メ-トルに至る風化土のボ-リングコアにより、アルカリ岩・カ-ボナタイト複合岩の鉱物風化に伴う生成鉱物および母岩の鉱物との関係、(3)サンパウロ州ジャクピランガのカ-ボナタイト地域で産する磁鉄鉱中の析出相、特にilmeniteの微細な組織、(4)ミナスジェライス州タッピ-ラのグリメライト中のzirkeliteやcalziltiteなどCa-Zr-Ti-O系鉱物が形成する組織やそれら鉱物中の希土類元素の分布、また他の鉱物との共生関係、また同じ岩石から得られたペロブスカイトの結晶組織およびその仮像と思われるのアナタ-ゼ中の微細組織や構成鉱物、希土類を濃集する鉱物、などの研究を主としてエネルギ-分散型分析装置付走査型電顕により組織の観察や化学組成の分析、粉末X線回折回折計により鉱物結晶相の同定、微小領域X線回折計により析出相の母相との方位関係の解析、などを行なった。 2.マントル構成鉱物として重要なMg_2Sio_4(olivine,変形スピネル,スピネル型など)やMgSio_3(ルメナイト型、ペロブスカイト型)などMg-Si-O系およびこれにH_2Oを含めた高圧相の結晶構造の研究を行ない、これまでの研究を含めてレビュ-を行なった。
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