研究概要 |
セラミックスの利用にはセラミックス・金属の接合が不可欠である。本研究では各種接合法の内、接合方法の宿易なろう接法に着目した。用いるろう合金はアルミニウムの融点に比べ融点の高い銅(融点1083℃)でありAlの融点660℃よりも高く、従来のセラミックス接合に用いられていたろう合金の耐熱性を上ることとした。銅の接合性を上げるために前もってセラミックスに活性なTiを蒸着することとした。 用いたセラミックスはアルミナ,窒化ケイ素、炭化ケイ素である。これらセラミックスはいずれも常圧焼結・ち密体である。セラミックス上のTi蒸着には本予算で購入した気相反応装置により行った。 セラミックスと金属のぬれは静滴法により評価した。すなわち、真空・高温下でTiを蒸着したセラミックス上で銅を溶融して、セラミックスと金属のなす角度を測定した。さらに、セラミックス上にTiを蒸着後銅ろうを用いてMoを接合し、その接合強度を求めた。 1373Kで溶融銅の接触角は時間とともに変化し、3.6ksで平衡値に達するかTiの蒸着により、その値は減少する。アルミナに対してはTi厚とともに減少し、Tiなしの150°からTi厚30.6μmで55°に到る。窒化ケイ素に対してはTiの効果は9.2μmの薄い場合は効果がなく、それ以上の厚さに対し徐々に接触角は減少し30.6μmで80°に到る。炭化ケイ素に対してはその効果は最初から明らかでTiのない場合の155°からTi厚の増加とともに減少し30.6μmで55°に到る。 このようにセラミックスごとにその効果が異なるのはTiとセラミックスの種類ごとにその反応性が異なるためで、アルミナとはTiO_2、窒化ケイ素とTiN、Ti_5Si_3、炭化ケイ素とはTiC、Ti_5Si_3の形成態と関連する。Tiをコーデングした場合炭化ケイ素とMoは良好に接合できた。
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