研究課題/領域番号 |
63470054
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
奈賀 正明 大阪大学, 溶接工学研究所, 助教授 (00005985)
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研究分担者 |
岡本 郁男 大阪大学, 溶接工学研究所, 教授 (90029009)
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キーワード | セラミックス / ろう接 / 接合 / 炭化ケイ素 / ニッケル合金 / チタン / チタン炭化物 / 真空ろう付 |
研究概要 |
セラミックスの実用化には接合技術、特に金属との接合が不可欠である。本研究では実用性の容易なろう接法の耐熱性向上を目的としている。前年度は前もってセラミックスにTiを被覆し、銅ろうにより接合を試みたが、本年度は銅ろうより融点の高いNi基合金ろうの開発を試みた。開発した合金ろうはNi、6.1、15、25、38.5、50at%の6種類である。このNiーTi合金ろうを用い炭化ケイ素セラミックスの接合を高真空中、黒鉛ヒ-タ-を高周波加熱する方法により行った。なお、この高周波加熱は本年度予算で購入が行われた高周波電源を用いて行われた。次に結果を総括すると、(1)炭化ケイ素セラミックスの強さは、接合条件、1723K、1.8ksの場合純Niの13MPaからNiろう中のTi量の増加とともに増加し、50at%Tiでは123MPaとかなりの高強度が得られた。また、接合温度を1723Kと一定にした場合1.8ksで最高値をとり、それ以上ろう接時間を延長しても強さの低下が見られた。最っともSiCとの接合性に優れたNiー50at%Tiを用いて作製したSiC接合体は高温強さに優れ573Kで310MPa、973Kで262MPaの強さを示した。(2)次に、NiーTi合金とSiCの反応を調べた。NiとSiCは直接反応し、Siを28at%含むNiシリサイドと遊離黒鉛になる。Ni中のTi量が30at%以上ではNiとSiCの直接反応が抑制され、界面およびろう層中にTiCが大量に形成される。Niー50at%Ti合金ろうで接合した場合、このTiCの形成がSiC接合条件が高い耐熱性を示した原因となる。すなわち、Niシリサイドマトリックス中に大きさ数μmのTiが微細に分散した、炭化物の分散強化により高温における高い強さが得られたものである。以上本研究で耐熱性の高いSiCの接合法が開発された。
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