研究課題/領域番号 |
63470056
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
松下 和正 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (80024610)
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研究分担者 |
小松 高行 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (60143822)
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キーワード | フッ化物ガラス / 粘度 / Fulcher粘度式 / Macedo-粘度式 / 同心回転粘度計 / 貫入型粘度計 / ガラス転移温度 / 赤外用光学材料 |
研究概要 |
新しい機能性ガラスとして注目されているフッ化物ガラスの粘性流動機構の研究を昨年度に引き続いて行なった。昨年度は高温ガラス融液の粘度測定装置を組み立てた。本年度はこの装置を用いて種々の組成のフッ化物ガラスの高温粘度を測定した。さらに貫入法によりガラス転移温度付近の高粘度を詳しく測定した。これらのデ-タより広い温度範囲での粘性機構を解析し、さらに転移点付近の粘性流動を緩和理解に基づいて検討した。 高温融液用粘度測定装置は回転型粘度形、粘度測定用定用ロ-タ-、粘度測定用白金坩堝および電気炉よりなる。融液中に浸したロ-タ-を一定速度で回転させ、ロ-タ-にかかるトルクを測定し、回転速度とトルクの関係より融液粘度を求めることができる。測定粘度範囲は10^<-2>〜10^2Pa・sである。電気炉は窒素またはアルゴン雰囲気にし、酸素を完全に除去できるようにした。またガラス転移温度近くの低温粘度は理学電機TMA装置にアッタチメントを取り付け、貫入法で測定した。これはガラスディスクにニッケル製貫入ピンを一定荷重下で差込み、貫入速度と荷重の関係より粘度を求める方法で、10^6〜10^<12>Pa・sの範囲の粘度を測定できる。 ガラス転移温度付近の粘度は温度が低くなるとともに急激に高くなった。昇温速度ゼロで求めたガラス転移温度での粘度はガラス組成に関係なく10^<12>Pa・sであることが明らかになった。ガラス転移温度から液相温度にわたる広い温度範囲にでの粘度は度はNacedo-Litovitz粘度式で表わされた。ただし流動単位が移動するに必要な活性化エネルギ-は温度の上昇とともに小さくなること、すなわち流動単位は温度が高くなるにつれて小さくなることが明らかになった。流動単位の変化の仕方は酸化物ガラスよりフッ化物ガラスのほうが激しいことも明らかになった。
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