研究課題/領域番号 |
63470060
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
大田 陸夫 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (30026124)
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研究分担者 |
福永 二郎 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 講師 (80027797)
吉田 直次郎 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (90027756)
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キーワード | アモルファス / ガラス / ガラス化領域 / 結晶化 / 臨界冷却速度 / 液相温度 / 液相粘度 / ゲル化領域 |
研究概要 |
希望する特性をもつアモルファス物質を合成しようとするとき、その組成の決定と共に、希望する組成のアモルファス化するかどうかは基本的問題である。又、希望する組成のアモルファスが生成したとしても、その成形には熱加工のプロセスが含まれる上、使用条件下でのアモルファスの熱化学的条件によって、アモルファスの熱安定性が重要な問題となる。本年度の研究は、主として、アモルファス化の予測に関する問題と熱安定性に関する問題に限定した。アモルファス化の手段としては、融液冷却法とゾルゲル法をまずとり上げた。融液冷却法によるガラス化領域とそのガラスの熱安定性はR_2O・2SiO_2(R:アルカリイオン、Li、Na、K)を対象とした。R_2Oを2種又は3種含む混合アルカリ系につき、種々の割合の混合アルカリの融液を液相温度以上から一定の冷却速度でTg以下の温度まで冷却固化してガラス化の判定を行い、ガラス化領域を決定した。その結果、ガラス化領域はLi_2OーNa_2Oー2SiO_2系ではNa_2O70〜80モル%のとき最も安定である(臨界冷却速度が最小)ことが分った。Li_2OーNa_2OーK_2Oー2SiO_2系ではLi_2OーNa_2Oー2SiO_2系より更にガラスは安定であることが分った。これらの系の粘度と液相温度の測定より、液相温度における粘度(液相粘度)を求めてみると、臨界冷却速度の極小となる組成が液相粘度の極大となる組成とほぼ一致していることが明らかとなった。 ゾルゲル法によって、B_2O_3ーNa_2OーTiO_2系およびB_2O_3ーNa_2OーAl_2O_3系のゲル化領域を決定し、熱処理によるゲルの安定性を調べた。その結果、B_2O_3rih組成はゲル化しないが、融液冷却法ではガラス化した。これは、B_2O_3richなゲルはたとえ生成したとしても水に解け、H_3BO_3の水和物に変化するためではないかと推察した。他の組成においては一般にゲル化領域はガラス化領域(ヌスロール法)より広いことも判明した。なお、スパッター装置搬入後、アモルファス化のスパッター条件の調整を行った。
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