• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1988 年度 実績報告書

新しい有機ラジカル種の発生法の開発とその有機合成への利用

研究課題

研究課題/領域番号 63470074
研究機関京都大学

研究代表者

内本 喜一朗  京都大学, 工学部, 教授 (90025958)

研究分担者 松原 誠二郎  京都大学, 工学部, 助手 (90190496)
大嶌 幸一郎  京都大学, 工学部, 助教授 (00111922)
キーワードトリエチルボラン / ラジカル付加 / トリフェニルスタナン / αーハロケトン / ビニルシクロプロパン転位 / パラジウム触媒
研究概要

研究は順調に進んでおり以下のような成果を得た。1.トリエチルボラン触媒共存下にトリフェニルスタナンやトリフェニルゲルマンがアセチレン類に対して容易に付加することを見いだした。この反応をエンインを基質として用い、分子内環化反応に応用してイリドイド系天然物の合成を行った。これらの成果を本論文にまとめ投稿した(研究発表1)。またアセチレン類の代りにアレン類を基質としてトリフェニルスタナン,トリフェニルゲルマンのラジカル付加反応について検討した。さらに零価のパラジウム触媒を用いる反応との比較を行った。その結果トリエチルボラン触媒共存下ではビニルスズ化合物が選択的に得られるのに対しパラジウム触媒共存下ではアリルスズやアリルゲルマン誘導体が得られることが明らかとなった(研究発表2)。2.トリエチルボラン触媒共存下にトリフェニルスタナンを用いると有機ハロゲン化物の還元反応が容易に進行することを見いだした。-78℃という低温でも反応が進行するのが大きな特徴である(研究発表3)。αーハロケトンを基質とすると、途中にホウ素のエノラートが生成する。これをアルデヒドでトラップするとアルドール型付加体が収率よく得られることが明らかとなった(研究発表4)。さらにnーBu_3SnHーEt_3B系をアルコールの脱酸素化反応に応用し、従来の方法よりも優れた還元系であることを示した(研究発表5)。3.我々は先に零価のパラジウム触媒を用いるジエニルシクロプロパンのビニルシクロペンテンへの転位反応について報告した。本年度はこの反応をパラジウム触媒の代りにトリフェニルスタニルラジカルあるいはベンゼンチイルラジカルを用いて検討した。その結果ベンゼン中60℃に加熱するという穏やかな条件下で容易に所望の転位反応が進行することが明らかとなった。さらにこの反応を拡張してビニルシクロプロパンとオレフィンから5員環を作る新しい方法を開発した(研究発表6)。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Nozaki;K.Oshima;K.Utimoto: Tetrahedron.

  • [文献書誌] Y.Ichinose;K.Oshima;K.Utimoto: Bull.Chem.Soc.Jpn.,. 61. 2693-2695 (1988)

  • [文献書誌] K.Miura;Y.Ichinose;K.Nozaki;K.Fugami;K.Oshima;K.Utimoto: Bull.Chem.Soc.Jpn.,. 62. (1989)

  • [文献書誌] K.Nozaki;K.Oshima;K.Utimoto: Tetrahedron Lett.,. 29. 1041-1044 (1988)

  • [文献書誌] K.Nozaki;K.Oshima;K.Utimoto: Tetrahedron Lett.,. 29. 6125-6126 (1988)

  • [文献書誌] K.Miura;K.Fugami;K.Oshima;K.Utimoto: Tetrahedron Lett.,. 29. 5135-5138 (1988)

URL: 

公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi