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1988 年度 実績報告書

エラストマーゲルにおける構造の形成と崩壊のダイナミックス

研究課題

研究課題/領域番号 63470083
研究機関東北大学

研究代表者

小野 勝道  東北大学, 非水溶液化学研究所, 助教授 (40006325)

研究分担者 本田 尚志  東北大学, 非水溶液化学研究所, 助手 (00181553)
及川 英俊  東北大学, 非水溶液化学研究所, 助手 (60134061)
村上 謙吉  東北大学, 非水溶液化学研究所, 教授 (90006289)
キーワード加硫ゴムの構造 / 橋かけ構造 / 加硫反応の動力学 / 加硫ゴムの酸化劣化 / 氷点降下
研究概要

イオウおよびDCP加硫天然ゴムの橋かけ反応および切断反応に伴う一次、高次構造の変化について種々の方法で検討した。得られた結果を以下にまとめる。
1.加硫過程におけるミクロ不均一構造の生成を高分解能走査型電子顕微鏡で調べた。すでに明らかにされている数100Aのサイズの不均一構造は、加硫反応の初期に生成することがわかった。また、加硫反応の動力学を解析するため、単純化した逐次反応に基づく反応モデルを提案し、加硫促進剤コンプレックスとゴム分子およびゴム分子どうしの反応速度定数を求めた。その結果、ゴム分子どうしの反応速度定数がゴム分子の一次分子量に強く依存することを明らかにした。これは、ゴム分子どうしの反応で橋かけが生ずる過程が拡散支配であり、その拡散支配の程度が不均一構造の形成と密接に関連していることを示している。
2.加硫天然ゴムの劣化に伴う応力変化から、橋かけ点間の分子量分布を推算する方法を提案した。即ち、酸化による分子鎖の切断が主鎖のランダムな切断によって生ずるならば、応力緩和の速度は橋かけ点間の分子量および分子量分布に依存するから、逆に応力緩和曲線の解析から橋かけ点間の分子量分布を求めることが可能である。この方法を用いて種々の橋かけ密度をもつ加硫ゴムの橋かけ点間の分子量分布を決定した。
3.熱酸化劣化に伴う加硫ゴムの橋かけ構造の変化をNMRおよび氷点降下法によって研究した。劣化を受けた試料のスピン-スピン緩和時間は、同じ橋かけ密度をもつ未劣化試料の場合に比べ低下する。また氷点降下度は劣化した試料に比べて未劣化試料の方が小さく、その差は劣化度の増加に伴い広がる。人為的に橋かけ点間の分子量分布を大きくした試料と比較検討した結果、以上の実験結果は劣化により一次橋かけ構造が不均一化したものとして説明できた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 小野勝道: Applied Polymer Symposia. 43. (1989)

  • [文献書誌] 村上謙吉: Applied Polymer Symposia. 43. (1989)

  • [文献書誌] 村上謙吉: 日本ゴム協会誌. 61. 568-578 (1988)

  • [文献書誌] 村上謙吉: 日本ゴム協会誌. 61. 430-439 (1988)

  • [文献書誌] 村上謙吉: 日本ゴム協会誌. 61. 772-778 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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