研究課題/領域番号 |
63470084
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小林 正道 群馬大学, 工学部, 講師 (60008448)
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研究分担者 |
鈴木 洋正 群馬女子短期大学, 家政学科, 助教授 (60008472)
大澤 善次郎 群馬大学, 工学部, 教授 (50008439)
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キーワード | ポリチオエーテル同族列 / FT-IRスペクトル / 分子運動 / ポリテトラヒドロフラン / 化学発光法 / 光、熱劣化 / ポリフェニレンサルファイド / ポリオレフィン |
研究概要 |
1.高分子固体の分子運動 (1)ポリチオエーテル〔-(CH_2)m-S-〕のm=14のメンバーには3種の結晶型(I、II、III型)が存在し、特にメチレン基横ゆれ振動領域(720cm^<-1>付近)の赤外スペクトルが各変態間で著しく異なることを見だした。即ち、I型(719cm^<-1>)とII型(725cm^<-1>)ではシングレットが、III型(730、720cm^<-1>)ではタブレットが観測された。またこの領域のFTIRスペクトルの温度変化の測定から、III型→II型の結晶転移温度が決定された。 (2)ポリテトラヒドロフラン固定の分子運動をFTIR法により研究し、特に996cm^<-1>(ν_3(COC)).2860cm^<-1>(ν_3(CH_2)).745cm^<-1>(r(CH_2))の各バンドが分子鎖の運動性に鋭敏であることを見いだした。 2.高分子の劣化反応過程 (1)化学発光法により種々の市販の銅害防止剤及びフェノールの環状オリゴマーであるcalixareneの効果を評価しうることを明らかにした。 (2)ポリカーボネートの光劣化は表面から10μm以内で起こり、その際主鎖の切断と同時にカーボネート構造はヒドロキシベンゾフェノン構造に変化することが判明した。 (3)ポリオレフィン(ポリエチレン(PE)、ポリブロピレン(IPP)、ポリブテン(PB)、ポリ-4-メチルベンテン(P4MP))の熱酸化時の化学発光量から、熱安定性が評価でき、その順位は、HDPE>P4MP>IPP>PBであった。また、化学発光強度と生成されるカルボニル基量の関係を明らかにした。 (4)ポリフェニレンサルファイドは光照射により、架橋反応を起こすことが分子量及び結晶化熱の測定により明らかにされた。また、この架橋構造をベンゼン環の置換様式及びベンゼン環上の水素原子数の変化から推定した。
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