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1989 年度 実績報告書

ヘテロ環全族芳香族ポリアミド繊維の分子設計による高性能化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63470093
研究機関九州産業大学

研究代表者

高柳 素夫  九州産業大学, 工学部, 教授 (40037643)

研究分担者 添嶋 康廣  九州産業大学, 工学部, 助手
植田 茂行  九州産業大学, 工学部, 助手
キーワードヘテロ環全芳香族ポリアミド / ピラジン環 / アラミド繊維 / 液晶紡糸 / 配向緩和
研究概要

2,5ージフェニルピラジン三環体のジカルボン酸を用いて、繰り返し単位中の環数の25%をピラジン環としたパラ型の新規全芳香族ポリアミドを重合した。ピラジン環を含む多環体としたことで純硫酸に溶解し液晶を示した。配向した薄膜のX線回折から理論弾圧率は310GPaと見積られ、既存のアラミドの約1.6倍となり高性能化することを予測した。しかし、剛直性の増加によりポリマ-の結晶化および配向緩和速度が速いことから、従来の紡糸方法では繊維化できなかった。速い配向緩和の制御のためにポリ(pーフェニレンテレフタルアミド)(PPTA)との混合紡糸を試みたが、配向緩和速度の違いから相分離を起こし有効性は認められなかった。これらを克服するためにアラミド繰り返し単位のピラジン環数をさらに増加し、硫酸溶液中で安定な液晶状態を保ち、配向緩和速度も遅くした液晶紡糸の可能なアラミドの分子設計を行った。アラミド単位分子中のピラジン環数を50%あるいはピラジン環数を33%個む原料モノマ-となる5ー(pーカルボキシフェニル)ー2ーアミノピラジン(a)、5ー(カルボキシフェニル)ー2ーカルボキシピラジン(b)の二環体の合成を行った。モノマ-合成方法の検討を重ねた結果、pーシアノアセトフェノンを出発試薬とし、二酸化セレンで酸化してpーシアノフェニルグリオキザ-ルとする。これを水酸化ナトリウムの存在下にグリシンアミドと縮合反応させてピラジン環を形成し5ー(シアノフェニル)ー2ーヒドロキシピラジンのパラ型二環体としたのち塩素化を行い5ー(シアノフェニル)ー2ークロロピラジン(1)とした。次に(1)をフタイミド化したあとアルカリで加水分解して酸・アミノ二官能体(a)あるいはシアノ化によりジシアノ体としたのち加水分解によってジカルボン酸(b)とする二つの方法を見出した。二環体を用いたポリアミドの原料収率をさらに上昇し、原料集積を行い、重合を行うところである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 植田茂行: "新規アラミドの合成と物性" 九州産業大学工学部研究報告. 25. 31-36 (1989)

  • [文献書誌] Motowo Takayanagi: "Structure and Properties of Novel Aramid Including Pyrazine Ring" Reports on Progress in Polymer Physics in Japan. 32. 315-318 (1989)

  • [文献書誌] Motowo Takayanagi: "Film Formation by Electrodeposition of IonizedAramids" Materials Reseach Society(Symposium Proceeding). 134. 283-294 (1989)

  • [文献書誌] Motowo Takayanagi: "Modified and Unmodified Rigid Rod Molecules of Aramid Type for Various Composites" Contemporary Topics in Polymer Science. 6. (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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