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1989 年度 実績報告書

生体高分子不斉マトリックス中での光不斉誘導と光記録材料への展開

研究課題

研究課題/領域番号 63470095
研究機関東京工業大学

研究代表者

宍戸 昌彦  東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (60026268)

キーワードポリペプチド / 光記録材料 / 光異性化 / アゾベンゼン / 円二色性 / 旋光度
研究概要

不斉構造をもつ生体高分子としてポリペプチドを採用し、それに沿って光異性化能をもつアゾベンゼン発色基を一定の周期で規則配列させた新しい型の光不斉誘導高分子が6種類新規に合成された。これらのポリペプチドは溶液中でα-ヘリックス構造をとり、アゾベンゼン発色基はヘリックス主鎖に沿ってらせん配列している事が示された。これらのポリペプチドの円二色性スペクトル(CD)はアゾベンゼン間の不斉励起子相互作用による正員のパタ-ンを示したが、その強度は発色基の空間配列に依存して大きく変化した。このCDパタ-ンは光照射によるアゾベンゼン基のトランス-シス異性化に伴って大きく変化し、シス状態では小さなCDしか見られなかった。すなわち光照射によって円二色性を制御できる高分子を見出すことに成功した。これらの高分子の旋光度もまた光照射によって変化し、それは波長の異なる光を交互に照射することによって可逆的に何度もくり返しが可能であった。すなわち旋光度を用いて非破壊的に記録を読み出すことのできる、新しい型の光記録材料としての可能性が示された。
これらのポリペプチドの示すCDや旋光度の起因を探るため、ポリペプチドのコンホメ-ションエネルギ-計算を行ない、最安定コンホメ-ションを見出した。これらのコンホメ-ション(空間配置)に基づいてCDの理論計算を行なったところ、実験的に得られたスペクトルをほぼ再現する結果を得た。これにより今後類似の高分子を用いてより大きな旋光度変化を起こすための分子設計が可能である事が明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 宍戸昌彦,佐藤靖彦,佐々木広樹,今西幸男: "Synthesis,Structure,and Excimer Formation of Vesicular Assemblies Carrying 1-or2-Naphthyl Chromophores" Langmuir. 6. 177-182 (1990)

  • [文献書誌] 佐々木広樹,宍戸昌彦,今西幸男: "Switching of Excimer/Monomer Ratio in Chiral Bilayer Membranes Containing Pyrenyl Groups" Langmuir. 6. (1990)

  • [文献書誌] 佐々木広樹,宍戸昌彦,今西幸男: "Synthesis,Structure,and Excimer Formation of a Vesicular Assembly Carrying Chiral 9-Anthryl Chromophores" Langmuir. 6. (1990)

  • [文献書誌] 岸良一,宍戸昌彦,田附重夫: "Liquid-Crystalline Polymer Gels.1.Crosslinking of POly(-Benzyl L-Glutamate)in the Cholesteric Liquid-Crystalline State" Macromolecules. 23. (1990)

  • [文献書誌] 宍戸昌彦,石川義博,田附重夫: "Helically Arranged Azobenzene Chromophores along a Polypeptide Chain.1.Synthesis and Circular Dichroism."

  • [文献書誌] 宍戸昌彦,石川義博: "Helically Arranged Azobenzene Chromophores along a Polypeptide Chain.2.Conformational Calculation and Theoretical CD Calculation"

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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