1.内半径15.2cmの円筒容器を高精度で回転させ、これと同軸に外半径が5.5cm〜11.5cmの4種類の円柱を設置し、これらの間に水を満たした。底面間間隔を7cmから23cmまで変化させて、水の接線方向及び半径方向の流速をレーザ・ドップラ流速計によって測定した。 2.その結果、接線方向時間平均速度の半径方向分布は、中心軸から内円柱半径位置までの領域とそれより外側の領域の2領域に分かれることが判った。内側領域は二円盤間の流れに近く、代表長さとして内円柱半径Riを、代表速度としてRiΩ(Ωは外円筒回転角速度)をとれば速度分布は一本の曲線で相関されることがわかった。また外側領域の速度分布は内円柱が0.7Ωの角速度で回転すると仮定した時のクエット流れでよく近似されることがわかった。 3.半径方向の時間平均速度の測定精度は余り高くはないが、外円筒底面近傍では半径方向に正となり、内円柱底面近傍では負となることがわかった。すなわち外円筒底面近傍で流体は中心軸から半径方向に流れ、外円筒側壁に沿って上昇し、内円柱底面近傍で中心軸に向う二次流れが存在することがわかった。 4.接線方向の乱流強度は、壁近傍並びに内円柱半径位置近傍以外では外円筒周速度の10〜20%である。またその値は内円柱半径位置で急激なピークをもち、外円筒周速度の30〜40%となることがわかった。 5.レイノルズ応力は内円柱半径位置よりわずかに外側の位置で最大値をとり、この位置近傍を除いては、ほぼゼロであることがわかった。すなわち、内円柱近傍以外の領域では、乱れは存在するがレイノルズ応力はゼロというポテンシャル流れに近い流れであることが判った。
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