研究課題/領域番号 |
63470105
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮本 信雄 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (00006222)
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研究分担者 |
庭野 道夫 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (20134075)
高桑 雄二 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (20154768)
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キーワード | シンクロトロン放射光 / 表面光化学反応 / 気相成長 / 光刺激脱離 / 光電子分光 / 光CVD |
研究概要 |
本年度は、薄膜結晶成長・解析装置の組立・調整と、実際に筑波の高エネルギー物理学研究所・放射光実験施設において、シリコン基板上に吸着したガス分子系について、シンクロトロン放射光を用いた表面光化学反応の基礎的実験を行った。 本研究では、シンクロトロン放射光を用いた表面光化学反応にもとづく薄膜結晶 成長素過程を解析するために、表面でのガス分子の吸着・結合状態を光電子分光法で、そして、光化学反応に基づく反応生成物を質量分析器で同時測定可能な装置を開発した。これにより、シンクロトロン放射光を用い薄膜の単結晶成長を行いながら、同一光を用い同時・同一場所での成長素過程解析を可能とした。またこの様な解析においては、原料ガスの導入の仕方が重要となるため、本研究ではよくコリメートされたガス分子線を供給可能なガス・ドーザーとそのガス制御系を試作した。本装置の組立・調整の後、'88・7月と'89・2月に高エネ研において、10〜40eVの紫外光を用い表面光化学反応の実験を行った。 気相成長法による単結晶薄膜成長において、水素系合成物ガスが原料として用いられるため、その基礎実験としてSi基板上にフッ酸を用い水素を結合させた表面について研究した。その結果、17eV以上の紫外光を用いることにより、シリコン表面上に吸着したSi-H結合を切断できることを見い出した。しかし、その効率は著しく光の照射方向にも依ることを明らかにした。また、Si酸化膜/Si系においてSi酸化膜そのものを同エネルギーの光で除去することは不可能であるが、水素イオンの光刺激脱離が観測され、そのイオン脱離収量は酸化膜の作り方に強く依存することを見い出した。これは界面の欠陥構造と結びついていると考えられる。それぞれの系について、Si基板の結晶方位依存性((111)と(100))を調べた。
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