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1988 年度 実績報告書

歯科用合金の化学的安定性の定量的評価法

研究課題

研究課題/領域番号 63470123
研究機関九州大学

研究代表者

太田 道雄  九州大学, 歯学部, 教授 (30037824)

研究分担者 中川 雅晴  九州大学, 歯学部, 助手 (80172279)
白石 孝信  九州大学, 歯学部, 助手 (10150468)
松家 茂樹  九州大学, 歯学部, 助教授 (00108755)
キーワード歯科用貴金属合金 / 耐食性 / 耐変色性 / 定電位分極 / 分光光度計 / Pd添加
研究概要

歯科用貴金属合金の耐食性、耐変色性に対する各構成元素の影響を明らかにする目的で、Au-Cu-Ag-、Au-Cu-PdおよびAu-Cu-Ag-Pd系合金を作製し、定電位分極実験から得られるQ値(陽極反応量)によって耐食性を、また分光光度計を用いて測定した△E(変色ベクトル)によって耐変色性を定量的に評価した。得られた主な結果は次の通りである。
1.Q値から算出された溶出Cu量は、電解液の原子吸光分析によって得られた値と一致し、Q値の耐食性パラメータとしての妥当性が示された。
2.貴金属含有量が約50at%以上では耐食性、耐変色性ともほぼ完全であった。Au-Cu-Ag系合金では貴金属含有量が50at%以下になると急激にQ、△Eが増加したが、Pdを含有する合金ではAu含有量がほぼ25at%まで高い化学的安定性を示した。
3.耐食性、耐変色性に対するPd添加の効果を知る目的で、次の実験を行った。
(1)26at%Au-63Cu-11Ag合金(III-Ag)のAuの一部(1〜15%)をPdで置き換えた合金について△Eを測定したところ、Pd5〜10%で耐変色性は急激に改善されたが、15%では再び悪化した。
(2)上記合金(III-Ag)のAu、Cu、Agの原子比を変えずに5at%のPdを添加した合金(III-Ag+5Pd)ではIII-Agに比較してQは約1/3に、△Eは約1/2となった。
4.耐食性、耐変色性に対する合金組織の影響を知る目的で、III-AgおよびIII-Ag+5Pd合金を時効処理し、試料全面がnoduleで覆われた試料を作製したところ、III-AgのQおよび△Eは約2倍に増加したがIII-Ag+5Pd合金ではQは約1/4になり、△Eもわづかに低下した。
5.今後、分析電顕や薄膜測定装置を用いて、Pd添加による化学的安定性向上の機構を解明する予定である。

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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