• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1988 年度 実績報告書

天然有系分裂阻害物質の微小管蛋白重合阻害に関する生物有機化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63470127
研究機関東京大学

研究代表者

岩崎 成夫  東京大学, 応用微生物研究所, 教授 (00013326)

研究分担者 古川 淳  東京大学, 応用微生物研究所, 助手 (80111574)
キーワードリゾキシン / メイタンシン類 / 光アフィニティラベル / A.nidulans / β-チュブリン変異株
研究概要

リゾキシンのチューブリン上の結合部位を解明するための一手段として、リゾキシンの化学変換により光アフィニティラベル用化合物を作る目的で、活性には必須でないと推察される側鎖部分の変換を試みた。OsO_4-NaIO_4処理により側鎖C_<2aー>C_<21>位で選択的な開裂が起り、アルデヒド体を収率約80%で得た。次いでこれをNaBH_4で還元してアルコール体とし、これの種々のアシル誘導体を合成した。その中でp-アジドベンゾエートが^<14>C標識が可能で又、光アフィニティラベルの目的に適合する。ブタ脳より精製した微小管蛋白の重合阻害能を検定したところ、2mg/mlの溶液に対してIC_<50>値は17μMでリゾキシンの約1/3、一応使用可能なものと判断したが更に他の誘導体も検討中である。一方、リゾキシンとチューブリン上の結合点が同じであるメイタンシノイド化合物についても並行して誘導体化を検討している。
他方で、リゾキシンは強い抗カビ活性を示すことから、遺伝子解析が詳細に行われているAspeygillus midulansを用いて、同じくチューブリンに作用し、広く抗カビ農薬として用いられているベンズイミダゾール剤との作用の比較を行った。リゾキシンは、ベンズイミダゾール剤体制β-チューブリン変異株にも野性株と同様に強い増殖阻害作用を示した。一方で、β-チューブリン変異リゾキシン耐性株を単離し、それらの薬剤感受性を検討したとろ、リゾキシンに対しては100倍以上の耐性を示すこれらの株は全てベンズイミダゾール剤に対しては野性株と同様に感受性で同じβ-チューブリンに作用しながらベンズイミダゾール剤とリゾキシンの作用点が異なることが明らかとなった。ウシ脳チューブリンを用いた実験でベンズイミダゾール剤はコルヒチンと同部位に結合することが知られているので、我々の行ったブタ脳チューブリンを用いた結果とよく一致する。Xイタンシン類化合物は、リゾキシンと同様の挙動を示した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S.Iwasaki,et al.: J.Antibiotics. 37. 354-362 (1984)

  • [文献書誌] S.Iwasaki,et al.: J.Antibiotics. 39. 424-429 (1986)

  • [文献書誌] T.Tsuruo,et al: Cancer Res.46. 381-385 (1984)

  • [文献書誌] M.Takahashi,et al: J.Antibiotics. 40. 66-72 (1987)

  • [文献書誌] M.Takahashi,et al: Biochem.Biophys.Acta. 926. 215-223 (1987)

  • [文献書誌] M.Takahashi,et al: Mo1.Gen.Genet.

URL: 

公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi