研究概要 |
前年度にひきつづきリゾキシンのチュ-ブリン上の結合部位を解明するために、リゾキシンの側鎖部分の変換を試みた。O_2O_4-NaIO_4処理より得たNor-rhizoxm・20-al体に対して、種々のWittig試薬(RHPPh_3cl:R=Ph.CH=CMe.CH,Ph-CH_2CH(Me)CH,PhCH=CHCH,MeOCOCH,HCOCH,CH_2)を反応させ、それぞれの成績体を得た。これらは全てチュ-ブリン重合阻害活性において、リゾキシンと同等又はそれに近い高い活性を示したことにより、Wittig試薬R=HCOCHより得たNor-rhizoxm・22-al体をNaBH_3CNで還元して誘導した22-al体を、更にp-アジドベンゾエ-トに導いたところ、この化合物はリゾキシンと同等の活性を示した。このものに^<14>C標識が可能であるので光アフィニティ-ラベルの目的に適合する。 一方、リゾキシンとメイタンシン類がチュ-ブリン上の同一部位に結合することが明らかとなっているため、この部位への光アフィニティラベル誘導体としてアンサマイトシンP-3の誘導体からも導くこととした。20-demethoxy-20-hydroxy-ansamytocin P-3の20-alをp-アジドベンゾエ-トに導いたところこの化合物はリゾキシンやアンサマイトシンp-3と同等以上の強いチュ-ブリン重合阻害活性を示した。そこで更に^<14>C標識誘導体、(〔^<14>C〕AB-ASM-p-3)を合成してチュ-ブリンへの結合実験を行い、この化合物がチュ-ブリン上でリゾキシンと同一部位に結合すること、解離定数(Kd)=3.1×10^<-7>Mを決定した。〔^<14>C〕AB-ASM-p-3のチュ-ブリンへの光アフィニティ-ラベルについての予備実験を行い、チュ-ブリンのα,β両サブユニットへの結合が認められた。詳細な解析を検討している。
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