研究課題/領域番号 |
63470142
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山田 康之 京都大学, 農学部, 教授 (50026415)
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研究分担者 |
橋本 隆 京都大学, 農学部, 助手 (80180826)
佐藤 文彦 京都大学, 農学部, 助教授 (10127087)
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キーワード | 体細胞雑種 / 細胞融合 / 分化 / アルカロイド生合成 / 遺伝的変異 / ドゥボイシア / タバコ / 培養茎葉 |
研究概要 |
ドウボイシア+タバコ体細胞雑種細胞におけるアルカロイド生合成能を分析するために培養茎葉からの根の分化を種々試みたが、きわめて困難であり、雑種細胞株C、D、E、F株からわずかな根を分化するにとどまった。また、この小植物体に蓄積するのアルカロイドを分析したところ、雑種植物EおよびF株においてトロパンアルカロイドの生産が認められたが、その含量は親植物であるドゥボイシアより約2桁低いものであった。一方、ニコチンは、いずれの雑種植物においてもタバコあるいはドゥボイシア親植物体に匹敵するほどの産生が認められた。 これら雑種細胞におけるトロパンアルカロイド生合成能の発現を検討するためヒオスチアミンからスコポラミンへの変換において重要なヒオスチアミン6βーヒドロキラ-ゼ(H6H)をウエスタンブロッテイング法により分析した結果、ドゥボイシア型のA、B株、中間型のF株では、H6Hの存在が確認されたが、タバコ型であるC、D、E株では検出することができなかった。そこでH6H遺伝子そのものの有無をヒオスのH6H遺伝子をもとに作製したプライマ-を用い、PCR法で検討した結果、C株では遺伝子そのものが欠失していることが確認された。しかし、他の雑種細胞にはドゥボイシアに由来する遺伝子の存在が確認され、なんらかの発現調節機構によりドウボイシアH6H遺伝子の発現が抑制されていることが明らかとなった。
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