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1990 年度 実績報告書

遺伝暗号の進化

研究課題

研究課題/領域番号 63480002
研究機関名古屋大学

研究代表者

大沢 省三  名古屋大学, 理学部, 教授 (10034620)

研究分担者 大浜 武  名古屋大学, 理学部, 助手 (00194267)
武藤 〓  名古屋大学, 理学部, 助教授 (80034635)
キーワードマイクロコッカス / マイコプラズマ / 無細胞翻訳系 / 使用不能コドン / 遺伝暗号 / プラナリア / ミトコンドリア
研究概要

マイコプラズマにおいて、これまで使用例もなく、また対応するtRNAも検出できないアルギニンを指定するコドンの一種であるCGGについて、マイコプラズマの無細胞翻訳系を調整し、このコドンを含む合成メッセンジャ-・RNA(mRNA)を翻訳させたところ、CGGコドンを含むmRNAは、このコドン部位で翻訳が停止していることがわかった。このことから、マイコプラズマにおいて、このコドンは対応するtRNAの消失により使用できないコドンとなっていることが証明された。このようなコドンの存在は、遺伝暗号が変化するには、まずそのコドンがゲノム上から消失し対応するtRNAも、それにつれて消失することによって起こるとした『遺伝暗号の捕獲説を実験的に証明したものである。
マイクロコッカスにおいても、6種のコドンが使用例もなく、それらに対応するtRNAも検出できない。この細菌についても無細胞翻訳系が完成した。目的とする合成mRNAが調整できしだい、これらのコドンが翻訳できるか否かについて実証できる。
ヘン形動物に属するプラナリアのミトコンドリアCOI遺伝子についてPCR法を用い塩基配列の一部を決定した。その結果、遺伝暗号の変異が発見された。通常停止コドンである、UAAがTyrのコドンに、AAAがLysからAsmのコドンに、AUAがMetからIleに、AGAとAGGが共に、ArgからSerに、UGAが停止からTrpに変異していることがわかった。これらの変異については、tRNA中に生じた変異と、方向性のある突然変異の両方が推進力となっている可能性がある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 大沢 省三: "Evolution of the mitochondrial genetic code III.Reassignment of CUN codons from leucine to threonine during evolution of yeast mitochondria." J.Mol.Evol.30. 322-328 (1990)

  • [文献書誌] 大浜 武: "Evolution of the mitochondrial genetic code IV.AAA as an asparagine codon in some animal mitochondria." J.Mol.Evol.30. 329-332 (1990)

  • [文献書誌] 大沢 省三: "Evolutionary changes in the genetic code." Proc.Royal Soc.Lond.241. 19-28 (1990)

  • [文献書誌] 武藤 〓: "Organization and evolution of transfer RNA genes in Mycoplasma capricolum." Nucleic Acids Res.18. 5037-5043 (1990)

  • [文献書誌] 大沢 省三: "Prokaryotic genetic code." Experientia (Genetic Code 1990). 46. 1097-1106 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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