研究課題/領域番号 |
63480004
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
野本 宣夫 茨城大学, 理学部, 教授 (20007545)
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研究分担者 |
山村 靖夫 茨城大学, 理学部, 助手 (50202388)
小島 純一 茨城大学, 理学部, 助手 (00192576)
堀 良通 茨城大学, 理学部, 講師 (30125801)
森野 浩 茨城大学, 理学部, 助教授 (30091870)
田村 浩志 茨城大学, 理学部, 教授 (20007561)
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キーワード | リターの供給 / リターの分解 / リターバック / リタートラップ / 大形土壌動物 / 中形土壌動物 |
研究概要 |
茨城県最北部の小川学術参考保存林内に調査地を設定し、1988年5月より以下の項目について調査・研究を行った。なお、本研究は2年計画であり、全項目について研究を継続中である。(1)林床に設置したメッシュサイズを異にする3種類のリターバック内リター(アカシデ,コナラ,ミズナラ)を1ケ月に1回の割で回収し、リターの複写を行ったのち再設置した。複写をもとに、画像処理装置(ピアス・LA-4K)によりリターの面積及び形状を測定し、分解過程を量的・質的に追跡。(2)月1回の割でリター及び土壌の定量採取を行い、現在リター量の季節変化の追跡中形及び大形土壌動物の分類群ごとの個体数の季節変化の追跡。(3)リタートラップによるリター供給の種別・定量的測定。(4)全天候型測定データ記録装置(コーナーシステムKADEC)による気温,地温及び雨量の連続測定。 林床の現存リター量は、夏期に急速に減少し、落葉の始まる10月から再び増加して12月初めに最大に達した。リタートラップを用いたリター供給量の測定結果と合わせて解析した所以下のことが明らかになった。(1)冬期間でのリターの分解量はわずかである。(2)夏期にリターが急速に分解され、5月に現存していたリターの約50%が夏期間に分解された。分解されたリターの約90%は落葉であり、5月にリターの27%を占めていた落枝・実はわずかにしか分解されない。(3)調査地においては、落葉は1年間に約65%が分解され、ほぼ3年間で分解され尽くすものと推定される。メッシュサイズを異にするリターバック内の落葉の面積減少過程の解析からも、大形土壌動物を通すメッシュサイズにおいてはほぼ同様の結果が得られた。調査地におけるリターの分解には大形土壌動物、特にミミズの夏期における活動が大きく関与しているものと推定された。
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