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1988 年度 実績報告書

ウニ胚発生過程でのDNAメチル化、脱メチル化反応調節と細胞分化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63480023
研究機関早稲田大学

研究代表者

安増 郁夫  早稲田大学, 教育学部, 教授 (10063421)

キーワードウニ胚発生 / 形態形成 / 細胞分化 / DNAメチル化 / ADPリボシルトランスフェラーゼ
研究概要

ウニ胚の初期発生過程で、DNAメチル化率の高い時期は桑実胚期であり、その間のフ化後の胞胚期では極めて低いことを胚に[メチル-^3H]メチオニンを投与し、DNAの^3Hラベル率によって明らかにした。単離した核画分でも[メチル-^3H]S-アデノシルメチオニン投与によって測定したDNAメチル化率の発生過程での変化は、胚で測定したそれと同じであった。なお、核では、DNA画分の放射活性は[メチル-^3H]メチオニン投与ではみられず、1の位置がラベルされたS-アデノシルメチオニン投与でも、ほとんどないことを明らかにした。メチル化されたDNAのHindIII断片の電気泳動によると、桑実胚では分子量の小さな断片で、原腸胚では分子量の大きな断片にメチル化が多く、メチル化されるDNA部域は、発生過程で異なる可能性が高いことを見出した。又、核でのDNAメチル化は核タンパク質のADPリボシル化と深く関連していることを見出した。核でのDNAメチル化率の発生過程での変化は、ADPリボシルトランスフェラーゼ活性化と一致している。
桑実胚でのDNAメチレーション又は核タンパク質の〔ADP〕リボシル〕化を阻害すると、多くの胚は原腸形成期直前で死亡する。原腸形成期でこれらを阻害すると、死亡することなく生存するが、特に原腸形成が強く阻害される。これらの時期以外ではDNAメチル化も、〔ADP〕リボシル〕化も低く、DNAメチル化又は〔ADP〕リボシル〕化を阻害しても、胚は死亡することなく正常に発生する。
これらの結果は、DNAメチル化はたん白質の〔ADP〕リボシル〕化で制御され、原腸形成、多分内胚葉分化の機構と深く関連していることを示唆している。なお、モルラ期は植物極化をおこし得る時期であり、植物極化との関連を検討する準備をしている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 小向正恭: Pevelopment Growth & Differentiation. 31. (1989)

  • [文献書誌] 室伏完治: Zoological Science. 5. 1295 (1988)

  • [文献書誌] 鎌田康之: Zoological Science. 5. 1294 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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