研究課題/領域番号 |
63480026
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物形態・分類学
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
石居 進 早稲田大学, 教育学部, 教授 (90063528)
|
研究分担者 |
松井 正文 京都大学, 教養部, 助手 (40101240)
石垣 春夫 早稲田大学, 教育学部, 教授 (60063492)
菊山 栄 早稲田大学, 教育学部, 教授 (20063638)
MATSUI Masabumi Kyoto University, Faculty of Gen. Edu. Assis (40101240)
MATSUI Masabumi Kyoto University, Faculty of Gen. Edu. Assis (40101240)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
キーワード | 生殖腺刺激ホルモン / プロラクチン / 抗体 / 受容体 / 両生類 / ヒキガエル / ウシガエル / 進化 |
研究概要 |
両生類を中心として、脳下垂体のペプチドホルモンを純化し、その抗体を作製し、また受容体との結合性を調べ、両生類の系統学的特徴をこれまでと違った立場から明らかにしようとした。その成果を述べる。1)生殖腺刺激ホルモン(GTH)の純化と、その抗体の種特異性:ヒキガルの脳下垂体から濾胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)を純化し、それらの抗体を作製した。交差反応実験からヒキガエルに免疫学的に似てはいるが明らかに異なるFSHとLHの分子が存在すること、これらの分子は両生類のうちヒキガエルとオオヒキガエルとでは似ているが、ヒキガエルとウシガエルとではかなり異なり、鳥類や哺乳類とはもっと異なることが分った。2)GTH受容体のFSH/LH特異性:ウシガエル精巣のGTH受容体には、FSHの作用を伝えるものと、LHの作用を伝えるものの2種類があっても、それらのホルモン結合部位はFSHとLHを区別出来ないことが明らかとなった。すなわち、ウシガエルではホルモン分子は完全に二つに分化していても、その受容体の分子のほうはまだ完全には分化していないことが、明らかにされた。このために、一方のホルモンが他方のホルモンの競合阻害をおこす可能性が考えられるが、これもFSHはLHの結合に正の共同作用を示すことが明かとなり、少なくとも、FSHはLHの競合阻害物とはなりにくくする機構があることが分かった。3)ウシガエルのプロラクチンに対する抗血清はヒキガエルのプロラクチンとは交差反応を示すが、哺乳類のものとは交差しないことが明かにされた。4)以上及び他の研究から、有尾両生類やアフリカツメガエルの類は高等な脊椎動物の祖先に比較的近いが、RanaやBufoのような無尾両生類はかなり特異的に分化したグル-プではないかと結論された。
|