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1990 年度 実績報告書

栽培イネの品種分化に関与する生殖的隔離機構の遺伝子レベルでの解析

研究課題

研究課題/領域番号 63480029
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

森島 啓子  国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 教授 (70000247)

研究分担者 米澤 勝衛  京都産業大学, 工学部, 教授 (90026542)
佐藤 洋一郎  国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助手 (20145113)
キーワード栽培イネ / Oryza sativa / 進化 / 生殖的隔離 / 遺伝子 / シュミレ-ション
研究概要

1.栽培イネの遠縁品種間交雄(インド型×日本型など)に由来するF_2のうち、前年度調査できなかった集団を戸外水田で栽培し、アイソザイムやマ-カ遺伝子の分離の歪みを調査した。アイソザムム遺伝子のうち、Catー1,Pgiー2,Poxー2などいくつかのものは供試した集団すべてで分離に歪みを生じた。酸性フォスファタ-ゼ(Acpー1)や〓光着色遺伝子(C__ー)などは組合せによって分離の歪みを生じることがわかった。
2.分離の歪みの環境変動を調査するため、4つの交配組合せのF_1を異なる環境下で受精させ分離の歪みが起きるかどうか、歪みの程度が変化するか否かを調査した。その結果、高濃度オゾン,乾燥+低温,長日の3環境下で,対照区とは異なる分離の歪みを認めた。それらは,i)対照区では3:1分離を示す遺伝子座が上述環境のどれかで歪みを生じた場合,ii)対照区でも分離の歪みは生じていた遺伝子座で歪みの程度が変化した場合,の2つに分かれた。ただし、どの環境でどの遺伝子座に歪みが生じるかという対応関係はみられなかった。
3.分離の歪みを生じた遺伝子座では多くの場合座上対立遺伝子の頻度がインド型ー日本型間で異なっていた。つまりインド型ー日本型のちがいは複数遺伝子座の遺伝子組合せとして表現できる。多くのF_2では,遺伝子組合せの傾向は認められなかった。つまりこれら遺伝子座は独立である。それにもかかわらずF_5世代では遺伝子組合せとの傾向が回復する傾向が認められた。
4.モンテカルロシュミレ-ションの結果,3.に述べたような遺伝子組合せの傾向は,既知の、あるいは本研究で見出したいかなる生殖的隔離を支配する遺伝子の作用として説明できないことがわかった。
上述の結果などから,生殖的隔離機構は、イネでは、インド型ー日本型分化の結果ではあっても原因たり得ないことで推察された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 佐藤 洋一郎: "日本におけるイネの起源に関する一考察" 考古学と自然科学. 22. 1-11 (1990)

  • [文献書誌] Sato,Y.I.: "Nourandour association of genes and characters found in <indica>___ー × <japonica>___ー hybrids of rice." Heredity. 65. 75-79 (1990)

  • [文献書誌] Sato,Y.I.: "“How was rice differentiated into indica and japonica?"<in>___ー Rice Genetics II" International Rice Res.Institute, (1991)

  • [文献書誌] “mu 佐藤 洋一郎: "“Multiーlows assoaationとしてのイネの進化"「イネの遺伝子発現と系統分化」分担執筆" 東北大学遺伝生態研究センタ-, 81 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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