(1)植物体から切り離したキュウリ果実に対して、人工的に水または無機、有機成分を含んだ溶液を加圧しながら供給し、果実の肥大を測定する系を組み立てた。この系はほぼ満足できるもので、本年度の実験を行うことができた。しかし、この系には、まだ改良すべき点がある。そのひとつは加圧した溶液を輸送する細いチューブと果柄部の通導組織の結合の仕方である。 単離果実に糖を主成分とする溶液を圧送することにより、わずかながら果実の横径が増加することが認められた。しかし、その増加は10分間程度で終り、継続することはなかった。また、異なる果実での再現性にも乏しかった。今後は、これらの問題を実験系の改良と、果実の肥大生理学の解明とにより、解決していく予定である。
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