研究概要 |
前年度に引き続き、強度の自家不和合性を示す2xヒュウガナツと、その枝変りによって生じた同質4倍体で自家和合性を示す4xヒュウガナツを材料として、不和合性の生理について検討を進め、以下の結果を得た。 1.花粉ならびに雌ずいの含有タンパクの再分析:2xならびに4xヒュウガナツの花粉含有タンパクには顕著な差が認められ、雌ずいの部位別では花柱に差があった。これは、昨年度の実験成績とほぼ同様である。 2.雌ずい含有タンパクのパタ-ンからみたメンタ-ポ-レン効果の検討:時間差二重受粉や対峙受粉が2xヒュウガナツの自家不和合性打破に及ぼす効果(既報)を、雌ずい内タンパクの電気泳動分析によって検討したところ、子房でははっきりとはしなかったが、花柱ではそのバンドパタ-ンが2xヒュウガナツ×4xヒュウガナツ(和合組み合わせ)のパタ-ンに似かよっていた。なお,2xヒュウガナツ(和合組み合わせ)について比較すると,その差は花柱と子房で認められた。 3.認知識別に関するその他の分析:(1)花粉抽出液、柱頭粘液、両者の混液のタンパク分析,(2)4xヒュウガナツ×2xヒュウガナツ(不和合組み合わせ)、4xヒュウガナツ×4xヒュウガナツ(和合組み合わせ)における花柱、子房のタンパク分析ーー以上の2点については現在実験を継続中である。
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