研究概要 |
1.2Xヒュウガナツの自家不和合性打破に及ぼす4Xヒュウガナツ花粉のメント-ルポ-レン効果を明らかにするため,4Xヒュウガナツの花粉形成について調査した。その結果,花粉母細胞の退化や減数分裂の異常が観察され,巨大花粉や奇形花粉が生じるが,発芽は正常に行なわれること,伸長中の花粉管内の核の挙動には異常が認められることを明らかにした。 2.両系統の自家受粉ならびに正逆交雑を行って雌ずい内の花粉管伸長を観察し,和合,不和合組み合わせを確認するとともに,可溶性タンパクの電気泳動分析を行って,認知識別の過程は受粉後早期に雌ずい内で進行することを明らかにした。又,柱頭粘液と花粉抽出液の相互作用より,この過程について知見を加えようとしたが,和合,不和合組み合わせ間で泳動パタ-ンに一生の傾向は認められなかった。 3.2Xヒュウガナツ×4Xヒュウガナツの交配組み合わせで得られた不完全種子より胚を摘出培養して3倍体の獲得を試みた。不完全種子中には群胚形成が認められ,胚培養によって得られた実生には異数体が多かった。
|