研究課題/領域番号 |
63480045
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
真山 滋志 香川大学, 農学部, 助教授 (00112251)
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研究分担者 |
豊田 秀吉 近畿大学, 農学部, 講師 (00150805)
京 正晴 香川大学, 農学部, 助手 (70195395)
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キーワード | 毒素感受性遺伝子 / 抵抗性遺伝子解析 / Riプラスミド / 毛状根 / Tiプラスミドベクター |
研究概要 |
植物の毛状根病を誘導するAgrobacterium rhizogenesにはRiブラスミドがあり、プラスミド中のTーDNA断片が植物体に組み込まれることによって形質転換体を誘導する。この組込みによって、植物が本来保有する遺伝子の発現が損われるため、病害抵抗性や感受性遺伝子の変異体が出る可能性がある。この変異体を用いて遺伝子の解析が可能である。係る研究目標のため、トマト萎ちょう病および青枯病、タバコ赤星病における変異体作出を行、各々の植物から毛状根の誘導を試みた。トマト萎ちょう病菌レース1〜3に特異的反応を示すトマト品種の毛状根誘導を行い、約50個の毛状根誘導に成功し、オパイン類の検出によって3個体が明確な変異体であることを確認、遺伝子転換体の誘導率は6%であった。現在、毛状根を用いた生物検定法を試みている。また、タバコは毒素感受性品種と非感受性品種のF_2種子を作成した。また、F_1植物より毛状根を誘導している。 一方、植物の形質転換体の作出に用いるTiプラスミドベクターの改変を試みた。すなわち、ベクター遺伝子の植物体導入法と検出遺伝子の検索を試みた。導入法としては、トマト細胞核へのマイクロインジェクション法が有効で効率よく植物を形質転換できる。この結果については、Plant Cell Reports誌と日本植物組織培養学会誌に報告した。一方、検出用遺伝子としては、微生物からフザリン酸抵抗性遺伝子を分離し、それを用いたベクターを構築した。この結果の一部はすでにJ.Biotechnology誌に発表した。今後は、このようなベクターを使用し、病害抵抗性変異体の作出と選抜を認みる予定である。また、毛状誘導による転換体の作出も可能であることを確認したので、今後継続して変異体の選抜を行う予定である。
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