研究課題/領域番号 |
63480046
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
普後 一 東京農工大学, 農学部, 助教授 (90111640)
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研究分担者 |
黄色 俊一 東京農工大学, 農学部, 助教授 (80015081)
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キーワード | 胚子発育 / 中枢神経系 / ペプチドホルモン / PTTH / EH / 昆虫ホルモン / 神経分泌物 / KK-42 |
研究概要 |
(1)胚子発育に伴う前胸線刺激ホルモン(PTTH)や羽化ホルモン(EH)の作用を知る目的で実験を行った。そのためにまず、PTTHの生物検定法の改良を行った。日106号×大造種の雄個体を用い、化蛹直後に除脳し、合成したKK-42を40μg/蛹投与し、高率にPTTH活性検定のための生物検定蛹の作出に成功した。一方、EHの検定法も若干改良した。これら二種のペプチドホルモン生物検定法の改良と同時に、それらのホリモンの精製・単離を試みた。既設のHPLCを用いて、PTTH、EH精製のための条件設定を進め、部分精製物をイオン交換クロマトカラム(ES-502N、ES-502C)およびゲル濾過カラム(GS-310)にかけることにより、回収率5%内外でほぼ単峰性の活性分画を得ることに成功した。ペプチドホルモン類が極微量であるため、設定された条件の再現性についての検討が欠けてはいるが、単離のための手順はほぼ完了し現在EH、PTTHの単離実験を進めている(普後)。 (2)卵あるいは胚子に存在する昆虫ホルモン類が母体由来であるのか、胚子自身が発育過程で合成しているか否かについて検討した。幼虫期にアラタ体を摘出された雌蛾体内には、正常な卵が形成されており、受精し胚子発育もする。一方、除脳蛹、永続蛹、遊離腹部でもその卵巣発育はPTTHやEcaysone等で誘導され、卵形成、胚子発育もみられる。従って、卵あるいは胚子発育初期に存在するEcdsやJHsは卵巣自身で生合成されたものと判断された。ペプチドホルモンの場合は、ボンビキシンと休眠ホルモン以外のペプチドホルモン(PTTHとEH)は、中枢神経系の分化発達以後胚子自身で生合成していることが判明した(黄色)。これらの実験の他に、胚子のKK-42に対する感受性、単為発生卵の誘導と卵内構成物質の変化、卵形成とホルモン類の関与、胚子発育のタイムテーブルと神経分泌物果粒の同定など、協同研究が進んだ(普後・黄色)。
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