研究課題/領域番号 |
63480061
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐々木 恵彦 東京大学, 農学部, 教授 (20196158)
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研究分担者 |
小島 克己 東京大学, 農学部, 学振特別研究員 (80211895)
山本 直樹 農林水産省, 森林総合研究所, 研究室長
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キーワード | クロマツ / 休眠種子 / 種子胚 / 貯蔵型mRNA / cDNAライブラリ- / ミクロゾ-ム分画 / リボソ-ム / ポリソ-ム |
研究概要 |
(1)クロマツ乾燥種子および発芽過程のメバエの子葉に存在するmRNAのcDNAライブラリ-を用い、発芽初期に特異的に存在するmRNAを検索した。まず、cDNA作成と同様の方法で、^<32>Pでラベルした一本鎖のcDNAプロ-ブを作り、デファレンシャルコロニ-ハイブリダイゼ-ションにより、乾燥種子胚に多く存在する可能性のあるmRNA(貯蔵型mRNA)のcDNAクロ-ンを選抜した。さらに、選抜したクロ-ンからDNAを抽出し、サザンハイブリダイゼ-ションによって、二次選抜をおこなった。これらの実験の結果、乾燥種子に含まれる貯蔵型mRNAはほとんど、子葉では消失または減少していることも明らかにされた。 (2)乾燥種子胚、低温湿層処理中の種子胚、発芽過程の胚など、異なった生長段階の胚からmRNAを抽出し、電気泳動後、典型的な貯蔵型mRNAのcDNAをプロ-ブとして、ノ-ザンハイブリダイゼ-ションをおこなった。この結果、低温湿層処理から発芽初期にかけて消失するmRNAのcDNAクロ-ン(_pPS1)、湿層処理中に増加し、発芽初期に急速に消失するmRNAのcDNAクロ-ン(_pPS13)、さらに、湿層処理中に増加し、発芽段階にしだいに減少するmRNAのcDNAクロ-ン(_pPS5)の三つを検出した。 (3)この3クロ-ンをプロ-ブにして、発芽初期におけるmRNAの存在様式を検討した。未発芽種子胚および発芽初期段階の胚からミクロゾ-ム分画を分離し、蔗糖密度勾配遠心法によって分画した各画分よりRNAを抽出し、プロ-ブとノ-ザンハイブリダイゼ-ションをおこなった。その結果、未発芽胚では、上記三つのmRNAはモノマ-リボゾ-ム画分に存在し、発芽初期にはポリゾ-ム画分に存在していることが認められた。貯蔵型mRNAは発芽初期に活性があることを示唆しているが、さらに、実験を進め、機能や乾燥種子での存在形態を明らかにしていく。
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