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1989 年度 実績報告書

魚類における生殖周期の人工統御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63480068
研究機関東京大学

研究代表者

古川 清  東京大学, 農学部, 助手 (40134514)

研究分担者 羽生 功  東京大学, 農学部, 名誉教授 (20011835)
酒井 清  東京水産大学, 水産学部, 助手 (70017060)
会田 勝美  東京大学, 農学部, 教授 (50012034)
キーワードトビヌメリ / ニジマス / キンギョ / 光周性 / 成熟 / 産卵 / エストラジオ-ル / テストステロン
研究概要

本年度は日長・水温の生殖周期に対する効果を引続き検討すると共に、関連ホルモンの定量を併せ行った。
1.トビヌメリについて、春産卵期の終了要因を調べたところ、水温28°Cを超えると産卵はほぼ停止するが、21-24°Cの低水温でも、12L下では産卵が継続される一方15L下では産卵は停止に向かい、高温抑制に加えて、長日の抑制効果のあることが示唆された。また秋産卵期の開始要因を調べたところ、22-24°Cで産卵が再開されるが、産卵量、GSI共に15L下に比べて12L下の方が有意に高く、適水温下での短日促進効果のあることも示唆された。
2.ニジマスを自然日長、16L・18L・20L・の日長下で3月から1年間飼育したところ、長日条件下でも成熟は遅れることなく進行し、特に雌の16L区では他区より1ケ月程産卵期が早くなることが判った。また雄では長日処理区のいずれにおいても自然光区より1ケ月程早く排精が開始され、採卵の早期化に伴う雄の成熟の遅れを長日処理によりカバ-しうる可能性が示唆された。
3.春に産卵を経験したキンギョを7月から、24℃・16℃、16L・12Lを組合せた4条件下で翌年まで飼育したところ、高温長日下では、雌雄共に2ケ月程は成熟状態を維持したがその後生殖線は退縮し、雌の血中エストラジオ-ル17β(E_2)、雄の血中テストステロン(T)量も低かった。高温短日下では雌の生殖腺はすぐに退縮に向かい、血中E_2量も低かった。雄は4-5ケ月周期で再熟を繰り返し、血中GTH,T量もに高いレベルで変動し、高温短日下での雌雄の反応の違いが明かとなった。低水温では雌は、数ケ月間隔で再熟を繰り返し、雄は両日長区共に排精を続け、血中GTH,T量は短日区の方が高かった。以上より、キンギョでは高温下において光周反応が明確となるが、長日における成熟促進は一過性でしかないこと、また雄では高温短日は抑制条件とならないことが判明した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Yong Z.,Furukawa K.,Aida K.,Hanyu I.: "Annual reproductive rhythm of the tobinumeri-dragonet Repomucenus beniteguri(Callionymidae)in lake Hamana" Nippon Suisan Gakkaishi. 55. 591-599 (1989)

  • [文献書誌] Razani H.,Hanyu I.,Aida K,Furukawa K.: "Rematuration of female goldfish under continued warm or cool temperature in combination with short or long photoperiod." Nipppon Suisan Gakkaishi. 55. 1499-1504 (1989)

  • [文献書誌] Razani H.,Hanyu I.,Aida K.,Furukawa K.: "Rematuration of male goldfish under continued warm or cool temperature in combination with short or long photoperiod." Nippon Suisan Gakkaishi. 55. 1505-1510 (1989)

  • [文献書誌] Yong Z.,Furukawa K.,Aida K.,Hanyu I.: "Daily Spawning rhythm during spring and antumn spawning seasons in the tobinumeri-dragonet,Repomucenus beniteguri" 日水誌.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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