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1988 年度 実績報告書

各種養殖魚類の薬物代謝酵素活性と投与医薬品の体内持続性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63480073
研究機関九州大学

研究代表者

小林 邦男  九州大学, 農学部, 教授 (30038195)

研究分担者 今田 信良  九州大学, 農学部, 助手 (60038247)
キーワード養殖魚 / 肝臓 / 薬物代謝酵素の活性 / 医薬品の代謝
研究概要

1.薬物代謝酵素活性 ブリ,マダイ,アユ,ウナギ,コイ,ニジマス,ティラピアの各肝臓を細胞分画し、そのミクロソームとシトゾル画分を供試し、各薬物代謝酵素活性とそのpH・温度特性を比較検討した。
(1)pH・温度特性:各酵素の最適温度は冷水性魚で25〜30℃、温水性魚で30〜40℃、熱帯性魚で40〜45℃の範囲にあり、各生息適水温を反映する結果を得たが、最適pHについては明確な傾向を認めなかった。
(2)酵素活性:シトクロムP-450含量はコイ>ティラピア>ウナギ>ニジマス>マダイ、ブリ》アユの順に減少した。水酸化酵素の活性はブリ>ティラピア>マダイ、ウナギ>ニジマス>コイ、アユ;硫酸抱合酵素の活性はマダイ>ニジマス》ブリ、ウナギ>コイ》ティラピア>アユ;グルタチオン抱合酵素の活性はティラピア》マダイ、ウナギ》ニジマス、ブリ>コイ》アユの順に低下した。グルクロン酸抱合酵素活性は供試魚種のうち、ニジマスとウナギにのみ認められ、他魚種では検出限界以下であった。以上の各活性はラットに比べて著しく低かったが、エステラーゼの活性はラットと同レベルであり、魚種間の差は小さかった。
2.医薬品の定量法 マダイの肝臓、腎臓、筋肉および血液を試料とし、オキソリン酸、オキシテトラサイクリン、チアンフェニコールの各2ppmを添加し、HPLC(東ソー)を使用してそれぞれ回収試験を行った。
(1)オキソリン酸:回収率は肝、腎、筋、血でいずれも70〜82%であり、検出限界は2ngであった。ただ、腎臓では妨害ピークが現われ、検出限界は約20ngであった。
(2)オキシテトラサイクリン:検出限界は2ngであり、水溶液からの回収率を100%とした場合、肝で68%と低かったが、他の組織では80〜90%であった。
(3)チアンフェニコール:検出限界は1ngであったが、回収率は血液で96%と高かったものの、肝臓と筋肉では65%、腎臓では52%と低く、今後再検討が必要である。

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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