1.トラクタ直装式1条用とうもろこし収穫機の所要動力 (1)空転時動力 トラクタPTO軸トルクは、220〜550rpmにおいて2〜8psであり、その大部分はコンベア関係であった。 (2)負荷時全動力 a.子実用とうもろこし(デントコーン)では、作業速度2〜6km/hにおいて8〜10psであった。大部分は脱穂ロール抵抗であり、毎時処理量は1.5〜6tに相当する(子実含水率26%)。b.加工用とうもろこし(スイートコーン)では、6〜9psであり、脱穂ロールの負荷量は2〜6ps程度であった。毎時処理量は1tに相当する(子実含水率75%)。 (3)適応トラクタについて 機体重量は、子実用で960kg、加工用で1280kgとなり、子実タンク積載量0.7〜1tを考慮すれば、70psクラスのトラクタを必要とする。 2.雌穂損傷及び子実損失について (1)子実用とうもろこし 脱穂ロールに茎葉の巻付きはなかった。切断雌穂数比で1〜4%となり、未収穂は未熟が大部分である。子実損失は、含水率が下がると多くなるが、1穂当たり30粒以下であった。 (2)加工用とうもろこし 国産機で、脱穂用カッタの作用は、優れた性能を発揮し、雌穂損傷及び未収穂はほとんど認められなかった。 (3)収穫時期について 子実用とうもろこしの場合に、収穫適期が過ぎて苞皮含水率が15%以下では、脱穂と共に穂柄と苞皮が若干剥皮されるから、剥皮ロールの負担が少なく、従ってこのロールに苞皮の巻付きは少ない。 3.次年度の計画 プロトタイプモデルによる雌穂の剥皮状況について、抵抗測定及びビデオ撮影解析により詳細に研究する。
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