1.VTRによる収穫機の脱穂状況 (1)9月上旬におけるスイ-トコ-ン収穫において、脱穂部にあるスナッピングプレ-トによって、雌穂損傷はほとんど見られない。 (2)収穫適期を過ぎた11月上旬のデントコ-ンでは、降霜の影響もあって、包皮水分が下がり、容易に脱穂し易く、倒伏茎がなかったので、正常な位置で収穫作業ができた。脱穂ロ-ルの表面周速は、秒速3.1mとなるから、茎の引込みが速く、雌穂元部への衝撃が大きい。包皮の枯れ具合いが進むと、茎に着生し易くなり、脱穂後の付着枚数が5〜7枚に減ることが明かとなった。 2.プロトタイプモデル(実機模型)による剥皮実験 (1)スイ-トコ-ン(らせん溝付きゴムロ-ル) 包皮は14〜18枚と多いため、一般に剥皮抵抗は大きく、トルクで0.4〜1.0kgf・m、仕事で40〜150Jであり、ロ-ル軸は300〜400rpm(周速度1.1〜1.5m/s)が適している。軸間角度は20度あれば性能は向上する。剥皮仕事は、包皮枚数・軸回転数にほぼ比例して増す傾向にある。 (2)デントコ-ン(溝付き鋳鉄ロ-ルとゴムロ-ルの組合せ) 収穫時期を3回に分けて実験したが、軸回転数を上げ、包皮数が多くなると抵抗も高くなるが、包皮の水分変化には左右されない。剥皮平均トルクは0.5〜1.5kgf・mで、仕事は15〜50Jとなり、包皮はスイ-トコ-ンより少ない分だけ低い値となり、およそ1/3であった。雌穂の穂先供給では直ちに剥皮されるが、穂元供給では180度反転した2分割剥皮が一般的な傾向となる。ロ-ル軸は400〜500rpm(1.2〜1.5m/s)が上限と考えられる。穂供給角は30度が良い結果を示した。 3.次年度の計画 収穫機のセンサによる収穫高さ調節、トラクタPTO軸回転制御、ホッパ内材料の確認、脱穂ロ-ル特性等を研究する。
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