研究課題/領域番号 |
63480079
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
田名部 雄一 岐阜大学, 農学部, 教授 (30021679)
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研究分担者 |
土井 守 岐阜大学, 農学部, 助手 (60180212)
中村 孝雄 岐阜大学, 農学部, 教授 (60021698)
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キーワード | ニワトリ / 松果体 / 網膜 / 概日リズム / オスシウム酸 / 盲目 / ウシ / コルチゾール |
研究概要 |
1.1週齢の雄雛の眼(網膜)のメラトニン含量は、日内リズムがあり暗期は明期の3倍になるの対し、松果体のそれは暗期は明期の10倍になる。暗期では、松果体のメラトニン含量は、網膜の約2倍である。 2.1週齢のニワトリ雄雛の眼に2%オスミウム酸を0.1ml注射すると盲目になる。この盲目になった雛を12時間明、12時間暗(12L:12D)の光周期下に飼育して、2週齢で調べた所、血漿メラトニン量は対照雛に比べて明期では若干高く暗期では25%低い。対照区では明暗の振巾は約5倍あるのに対し、盲目区では3倍と2/3に縮少した。一方松果体のメラトニン含量は暗期では盲目区の方が若干高く、明期では盲目区が明らかに高かった。ニワトリでは血漿メラトニン濃度は松果体によって生産されるメラトニンによって主に支配されており、網膜の貢献はやや低い。 3.常暗で孵化した雛を直ちに12Lー12D、常暗(DD)、常明(LL)の3つの光周期にさらして、24日齢まで飼育した。12L:12Dでは1日齢で血漿・松果体メラトニンリズムが出現し、7、13、24日でも認められた。LL條件下では24日齢までこの"明暗"リズムは出現しなかった。DD條件下では、血漿では13、24日齢で本来の暗期に高いリズムが認められ、松果体では24日齢に始めてこのリズムが認められた。このDD條件下での概日リズムの出現は、未だ昼夜の騒静リズムが存在するので雛がこれを利用してリズムを形成した可能性がある。今年度は常時騒音を与えて実験する予定である。 4.64日齢のニワトリ中雛の各臓器のメラトニンの昼夜の濃度差を調べた所、松果体、下垂体、網膜、筋肉に差が認められた。これはこれらの他脳、心臓でも認められた1週齢と、松果体網膜のみの400日齢のデータの中間のデータである。 5.ウシ(黒毛和種)の血漿コルチゾールの1日間の変動を調べた所、明期に高く暗期に低い、メラトニンとは逆のリズムが認められた。
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