研究課題/領域番号 |
63480080
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
田中 克英 岐阜大学, 農学部, 教授 (20021678)
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研究分担者 |
川島 光夫 岐阜大学, 農学部, 助手 (10177686)
上吉 道治 岐阜大学, 農学部, 助教授 (00021709)
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キーワード | 排卵 / 卵胞発育 / プラズミノ-ゲン・アクチベ-タ- / LH / プロジェステロン / エストラジオ-ル / ニワトリ |
研究概要 |
排卵周期が約24時間であるニワトリにおいて、排卵日と無排卵日の色々な時期に卵巣中の最大卵胞(F1)とそれより約24時間遅れて排卵する予定の2番目に大きい卵胞(F2)の重量を測定することにより、1日内での卵胞発育の様相を知り、又、それらの卵胞における顆粒膜のプラズミノ-ゲン・アクチベ-タ-(PA)活性とプロジェステロン濃度、莢膜のエストラジオ-ル濃度及び血漿LH濃度を測定することにより、プラズミン・PA系が排卵や卵胞発育に関与する可能性があるか否かを明らかにすると共に、エストロジェンの卵胞発育への関与の可能性を検討した。 卵胞重量は、F1とF2で、排卵日においても無排卵日においても、共に同じ様な増加の様相を示し、1日の時期で午後2時から夜中にかけて増加し、その他の時期での増加は認められなかった。 顆粒膜PA活性は、卵胞重量の増加期にピ-クが認められ、しかもそのピ-クの程度はF1とF2とでほぼ同じであった。これに対して、顆粒膜プロジェステロン濃度は、血漿LH濃度のピ-ク時に相応した時期にピ-クが認められたが、ピ-クの程度はF1とF2では異なり、F1の方がF2より2倍以上高かった。 莢膜エストラジオ-ル濃度は、排卵時に近ずくに従い減少する傾向が認められると共に、顆粒膜プロジェステロン濃度のピ-クが認められた時期とほぼ同じ時期に高くなる傾向が認められ、しかも排卵周期中の何れの時期においてもF2の方がF1に比べて有意に高かった。 以上の結果から、ニワトリにおいては、顆粒層細胞におけるプラズミン・PA系が排卵の誘起に関与する可能性は低く、むしろ卵胞発育に関与しているのではないかと推察され、又、エストロジェンが卵胞発育に関与するとしてもエストロジェンのみの作用により卵胞発育が促される可能性は低いものと推察される。
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