研究課題/領域番号 |
63480084
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川島 良治 京都大学, 農学部, 教授 (50026382)
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研究分担者 |
矢野 史子 京都大学, 農学部, 助手 (30101249)
石田 直彦 京都大学, 農学部, 助手 (00026593)
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キーワード | めん羊 / Ca / P / Mg / 消化管 / 吸収 / 潅流試験 |
研究概要 |
飼料の物理的形態の違いが、めん羊の消化管内でのCa、P、Mgの分布に及ぼす影響を調べた。6cm切乾草給与区と、0.2cm粉砕ペレット乾草給与区の2区をもうけ、それぞれの飼料で3頭ずつのめん羊を2週間飼育した。給餌は3時間間隔で1日8回の等量分与とし、少なくとも屠殺1週間前より指標物質として一定量のポリエチレングリコ-ルを給与した。めん羊は飼料摂取後3時間目に、麻酔下で放血屠殺後、開腹し、消化管の11ケ所の部位から内容物を摂取し、ミネラルの分布を検討した。6cm区では水分流量が0.2cm区より多いこと、第一胃液中のP濃度が低いことから、唾液分泌量の増加が推察された。しかし、1日当たりの唾液P流量は両区間に差は認められなかった。飼料摂取量の5〜6倍のPが唾液から分泌され、12指腸通過P量の約80%が小腸から吸収されていたが、飼料区間による差は認められなかった。Caは摂取量の0.5〜1倍が唾液経由で分泌されているようであった。6cm区ではCaの内因性分泌量が多く、小腸での吸収量は0.2cm区より多いにもかかわらず、みかけの吸収率は-40%と負の値となった。Mgは唾液経由の分泌は10〜20%と、P、Caに較べると少なかった。0.2cm区では前胃部での吸収を、6cm区では分泌を示した。 小腸上部の2ケ所にカニュ-レを装着しためん羊3頭を用いて一時分離小腸による潅流法でミネラルの吸収を検討した。潅流速度が早いとPの吸収率は低下したが、Ca、Mgの吸収率に影響はなかった。但し、吸収速度はいずれも増加する傾向があった。また潅流液pHを4.4〜7.0と高くするとP、Naは吸収速度、吸収率ともに低下した。しかし潅流液からNaを除いてもPの吸収に影響はなかった。
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