1.モルモットの灌流副腎を用い、ムスカリンとニコチン受容体をそれぞれ特異的に刺激しカテコールアミン(CA)放出を起こすオキソトレモリンとニコチンの力価を比較した。(1)オキソトレモリンの放出効果は、10^<-6>Mから出現し10┣D114Mでほぼ最大となった。しかし、最大放出量は総CA量でも1.5nm01/5min以下であり、力価としては極めて低かった。(2)ニコチンのCA放出効果は10┣D1-5┫D1Mから出現し(0.6±0.1nmo1/5min)、5x10┣D1-5Mでほぼ最大(8.0±0.7nmo1/5min)となった。ED┣D250┫D2値は2.4×10┣D1-5Mであった。(3)Achも10┣D1-6Mからのうぞ依存性にCA放出を増大させ、効果は5×10┣D1-4Mで最大(20.4±2.0nmol/5min)となった。ED┣D258値は7×10┣D1-5Mであった。(4)何れの薬物によるCA放出も、最大効果の約85%はアドレナリン、残りの大部分はノルアドレナリンでドパミンは1%以下であった。 2.イヌまたはウシから摘出した副腎から皮質部分を除去し、髄質を細切してコラゲナーゼ処理して分離髄質細胞を得た。(1)イヌから得た精製分離髄質細胞は、AchによりCA放出を起こしたが、ウシ由来の細胞はAchに対する感受性を極めて低かった。(2)ラッドの大脳から分離したシナプトソームを用い、細胞内Caを測定する条件を決定した。即ち、シナプトソームにFura2-AM 5uMを、37℃で20分間負荷し、EGTA 5mMを含むCa-free液で洗浄した後、刺激薬物としてナトリウム・イオノフオーであるモネンシンを20分間作用ささ、340nmと380nmの起動による蛍光比を測定した。その結果、細胞内Ca濃度は6分間の刺激で福150nM増加するのを認めた。従って、この条件下で十分細胞内Ca濃度の上昇を測定し得ることが明となった。(3)現在この条件で分離髄質細胞を用い細胞群の純化がまだ不十分のため信頼出来るデータを得るには至っていない。今後は培養によって得られた純化髄質細胞を用いて実線を行う予定てある。
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