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1989 年度 実績報告書

副腎髄質細胞からのカテコルアミン分泌に於けるムスカリンとニコチン受容体の相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 63480085
研究機関帯広畜産大学

研究代表者

中里 幸和  帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (60001525)

研究分担者 佐藤 栄輝  帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (50178711)
キーワードカテコ-ルアミン / 細胞内カルシウムストア / 副腎髄質細胞 / Fura2-AM / ムスカリ-ン受容体 / カフェイン / ライアノジン
研究概要

1.副腎のカテコ-ルアミン(CA)分泌に於て、ムスカリンとニコチン受容体がどの様に相互作用をしているのかを知る目的で、モルモットの流副腎を用い、ニコチンのCA放出効果に対する、ムスカリン作動薬、オキソトレモリンの前投与の影響を調べた。
(1)オキソトレモリン(10^<-5>M)はCA放出を起したが、その力価は極めて弱く、同濃度のニコチンの約10分の1であった。
(2)このオキソトレモリンを一分間適用した後、直ちにニコチン(5×10^<-5>M)を同様に一分間適用し、CAを測定した。その結果、ニコチンの効果はオキソトレモリンを前適用しない時に比べて、アドレナリンで約3倍、ノルアドレナリンで2倍に増強された。この時のニコチンのCA放出力価は、同濃度のアセチルコリン(ACh)とほぼ同程度であった。AChは生理的伝達物質であり両受容体を刺激するので、ここで示した相互作用は生理的な条件下でも生じていることが示唆される。
2.平滑筋細胞は、カフエインとイノシト-ル3リン酸(ムスカリン刺激)にそれぞれ感受性のある、二種類の細胞内Ca^<2+>ストアを有している。それ故、副腎髄質細胞からのCA放出に関与する、細胞内Ca^<2+>ストアの性質を知るため、ネコとモルモットの潅流副腎を用いカフエインとACh(ムスカリン刺激)のCA放出効果を調べた。(1)ロック液 流下の副腎では、カフエインは認め得るCA放出を起こさなかった。しかし、ネコでは細胞外Ca^<2+>とMg^<2+>の除去後、モルモットの場合はこれら二価イオンに加えてNa^+を除去した後、カフエインは著名なCA放出を起こした。(2)次に両アゴニストに感受するCa^<2+>ストアが、全く別種であるのかどうかを知るために、ネコの潅流副腎を用い、Ca^<2+>不在下でAChによるCA放出がカフエインの前適用によって影響を受けるかどうかを調べた。その結果、AChのCA放出効果はカフエイン適用後抑制されたが、消失することはなかった。この結果は、両Ca^<2+>ストアは部分的に重複していることを示唆している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Yamada,Y.,Nakazato,Y.& Ohga,A.: "The mode of action of caffeine on catecholamine release from perfused adrenal glands of cat" British Journal of Pharmacology. 98. 351-356 (1989)

  • [文献書誌] Nakazato,Y.,Ito,S.& Ohga,A.: "Effects of tetrodotoxin and monensin on the noradrenaline output induced by ouabain from the guinea-pig vas deferens in the presence of various divalent cations" Quarterly Journal of Experimental Physiology. 74. 443-450 (1989)

  • [文献書誌] Satoh,E.& Nakazato,Y.: "H Acetylcholine release and the change in cytosolic free calcium level induced by high K^+ and ouabain in rat brain synaptosomes" Neuroscience Letters. 107. 284-288 (1989)

  • [文献書誌] Teraoka,H.,Nakazato Y.& Ohga,A.: "Sodium ions inhibit the stimulant action of caffeine on catecholamine secretion from adrenal chromaffin cells of the guinea pig" Neuroscience Letters. 108. 179-182 (1990)

  • [文献書誌] Teraoka,H.,Yamada,Y.,Nakazato,Y.& Ohga,A.: "The role of Na^+ in the muscarinic receptor-mediated catecholamine secretion in the absence of extracellular Ca^<2+> in perfused cat adrenal glands" British Journal of Pharmacology. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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