研究課題/領域番号 |
63480087
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
斉藤 篤志 帯広畜産大学, 畜産学部・家畜生理学講座, 助教授 (10002263)
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研究分担者 |
小俣 吉孝 帯広畜産大学, 畜産学部・家畜生理学講座, 助手 (10132987)
佐藤 基佳 帯広畜産大学, 畜産学部・獣医臨床放射線学講座, 助教授 (50003140)
品川 森一 帯広畜産大学, 畜産学部・獣医公衆衛生学講座, 教授 (00001537)
広瀬 恒夫 帯広畜産大学, 畜産学部・獣医臨床放射線学講座, 教授 (60003076)
鈴木 直義 帯広畜産大学, 畜産学部・家畜生理学講座, 教授 (10003071)
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キーワード | トキソプラズマ原虫由来抗原物質 / TLA / TLAーH6E / ユビキチン / オビオアクチン / オビオペプチド / 脾臓リンパ様細胞 / マクロファ-ジ |
研究概要 |
免疫担当細胞に対するTLA及びオビオアクチンの作用を検討すると共に、TLAとオビオアクチンの構造解析と有効成分を抽出・合成することを目的として研究を進めた。1.感作マウスの脾臓付着性細胞と非付着性細胞を混合して移入すると生体内での腫瘍増殖が抑えられた。しかし、それぞれの細胞を単独で移入しても、腫瘍増殖を抑制することは出来なかった。2.TLA感作マウス脾臓細胞から付着性細胞を取り除くと細胞障害性細胞は誘導されなかった。しかし、ILー2添加培養では付着細胞が存在しなくても細胞障害性細胞が誘導された。3.脾臓非付着性細胞と付着性細胞との物理的接触を阻害すると細胞障害性細胞は誘導されなかった。4.オビオアクチンの精製と合成並びに合成品の作用。(1)オビオアクチンの活性部位のペプチド(glycilーpentaーglutaminateなどのオビオペプチド)を合成した。これと全く同一のその配列が胸腺ホルモンthymosinα族(アミノ酸残基数;24〜35)の前駆物質であるprothymosinα(アミノ酸残基数;133)のNH_<2^->端より61番から66番目までのアミノ酸配列に見られる。(2)オビオアクチンと同様マクロファ-ジのような貪食細胞ばかりでなく,単球や心筋細胞内でのトキソプラズマ原虫の増殖を抑制した。(3)マクロファ-ジの活性酸素産生を高めた。(4)腫瘍細胞の生体内増殖を抑えた。5.TLAの精製と合成並びに合成品の作用。(1)TLAからアミノ酸残基数73個の抗腫瘍効果を有するペプチド(TLAーH6E)を抽出・合成した。(2)TLAーH6Eのアミノ配列はユビキチンと高度の類似性を示した。(3)脾臓細胞から細胞障害性細胞を誘導させた。(4)脾臓細胞の幼若化を促進しなかった。複雑な生体防御機構は,免疫情報伝達物質による情報の伝達と受容という基本的生体反応に基づいている。従って、現在、オビオペプチドの標的細胞への情報伝達様式を解明する準備として,オビペプチドへの ^<125>Iの標識を検討している。
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