研究課題/領域番号 |
63480091
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
山内 昭二 大阪府立大学, 農学部, 教授 (80081503)
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研究分担者 |
木曾 康郎 大阪府立大学, 農学部, 助手 (10142374)
佐々木 文彦 大阪府立大学, 農学部, 講師 (60064862)
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キーワード | 胎子-胎盤系 / 胎子内分泌腺 / 胎盤内分泌機能 / 胎盤形態学 |
研究概要 |
1.ネコ胎子副腎皮質。胎性皮質は妊娠27-44日の間全皮質の約80%を占めたが、満期では約10%に減少した。一方、永久皮質は27日に10%であったが、46日で35%に急増し満期には50%を占めた。球状帯は妊娠期間中10%と不変であった。ステロイド脱水素酸素活性は胎性及び永久の両皮質に検出されたが、胎性皮質の反応は27日から検出され、50日に一旦消失し、53日に復活する特徴を示した。永久皮質には終始強度の活性が検出された。電顕的所見はステロイド物質合成の小器官像を示した。以上のことから妊娠45日までは主に胎性皮質が、45〜53日は永久皮質特に束状帯が、また53日以後は網状帯に移行した胎性皮質と永久皮質の束状帯がステロイド生合成の責務を担っていることが明らかとなった。 2.イヌ胎子胎盤血管系。胎盤の反間膜側に付着した臍動・静脈は伴走しながら迷路部及び血腫部に小枝を送り、その終末枝は迷路部と血腫部の内部に進入し軸動・静脈となる。軸動・静脈は毛細血管を樹枝状に分枝しながら接合帯(母体側)方向へ進む。毛細血管は梯子状の吻合を重ねながら母体血管を取り巻く三次元的毛細血管網を形成する。迷路部の血管内径は妊娠の進行とともに拡張し、軸動脈は40-50日、毛細血管は45-50日で著しく拡大する。この結果、血管の有効表面積の増大と同時に血流の減速が実現し母子間の物質交換の効率上昇が形態学的に示された。母胎盤の血流と胎子胎盤の血流は体系的に対向流方式をもつことが実証された。 3.本年度中に数例づつの豚、羊、山羊の妊娠材料を入手した。現在これらの胎盤、胎子の下垂体、精巣、卵巣及び副腎について、光顕、電顕、ステロイド脱水素酵素活性、免疫抗体染色等の手技を用いて試料の処理を進めている。平成元年度以降、順次成果を発表する予定である。
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