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1988 年度 実績報告書

分泌刺激時における外分泌腺細胞膜のカルシウムおよび水素イオンの輸送機序

研究課題

研究課題/領域番号 63480098
研究機関東北大学

研究代表者

西山 明徳  東北大学, 医学部, 教授 (90004556)

研究分担者 小沢 輝高  東北大学, 医学部, 助手 (30160857)
斎藤 禎隆  東北大学, 医学部, 講師 (80004670)
林 曠  東北大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (50004601)
キーワード唾液腺 / 涙腺 / 膵外分泌腺 / 分泌刺激 / 細胞内pH / 細胞内カルシウム / Na-H対向輸送 / カリシウムイオンインフラックス / イオン電極法 / 蛍光プローベ
研究概要

分泌刺激時の外分泌腺腺房細胞膜のカルシウムおよび水素イオン輸送を解明するため、イオン電極法によるマウス摘出腺組織の細胞内イオン活力測定およびイオン感受性蛍光色素法による単離外分泌腺腺房の細胞内イオン濃度の測定を行った。
(1)細胞内カルシウムイオン(Cai)
蛍光色素クイン-2あるいはフラ-2を負荷したラットの単離涙腺および唾液腺(耳下腺、顎下腺)腺房の静止時のCaiは100〜150nMであった。コリン作動性およびα-アドレナリン受容体の刺激は著明なCaiの上昇をもたらした。この上昇は初期相と持続相からなり、持続相は外液のCaイオンの存在に強い依存性を示し、この相でCaイオンのインフラックスが上昇することが示唆された。唾液腺細胞ではサイクリックアデノシン三リン酸を第二メッセンジャーとみなされているβ-アドレナリン受容体の刺激も僅かながらCaiを上昇させることを確かめた。
(2)細胞内水素イオン(pHi)
マウス涙腺の静止時のpHiは7.25であり、アミロライド(1mM)の存在下あるいは無Na液中でコリン作動性刺激はpHiを減少せしめた。この事実は底側膜にNa-H対向輸送が存在することを示唆した。H^+輸送の外液Naに対するミカエリス定数は65mMであった。BCECFを負荷したラット単離顎下腺腺房の静止時のpHiは7.2であり、コリン作動性受容体刺激はpHiを減少した。このpHiの減少はアミロライドの存在下あるいは無Na液下で増強され、Na-H対向輸送系の存在を示唆した。この輸送系にはNaの他にLiによっても代行されるが、K,Cs,Rbによっては代行されないことを確めた。マウス膵腺房細胞のpHiは6.9〜7.0であり、パンクレオザイミンの刺激はpHiをアルカリ化した。しかし、アミロライド存在下では分泌刺激はpHiを減少させ、Na-H輸送の存在を示唆した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 斎藤禎隆: J.Membrane Biol.101. 73-81 (1988)

  • [文献書誌] 小沢輝高: J.Membrane Biol.105. 273-280 (1988)

  • [文献書誌] 高橋英子: J.Physiol.Soc.Japan. 50. 385 (1988)

  • [文献書誌] 高橋英子: J.Physiol.Soc.Japan. 51. (1989)

  • [文献書誌] 西山明徳: Proc.IUPS. 17. (1989)

  • [文献書誌] 斎藤禎隆: Proc.IUPS. 17. (1989)

  • [文献書誌] 小沢輝高: "Exocrine Secretion" P.Y.D.Wong and J.A.Young Hong Kong University Press,Hong Kong, 137-139 (1988)

  • [文献書誌] 西山明徳: "Gastrointestinal & Hepatic Secretions Mechanism and Control" J.S.Davison and E.A.Shaffer The University of Calgary Press,Calgary, 189-192 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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