研究課題/領域番号 |
63480109
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
西 彰五郎 久留米大学, 医学部, 教授 (00080557)
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研究分担者 |
田中 永一郎 久留米大学, 医学部, 助手 (80188284)
三原 智 久留米大学, 医学部, 助手 (40166103)
井口 敞恵 久留米大学, 医学部, 講師
吉村 恵 久留米大学, 医学部, 講師 (10140641)
東 英穂 久留米大学, 医学部, 助教授 (10098907)
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キーワード | 脊髄 / 側角細胞 / 興奮性アミノ酸 / グルタメイト受容体 / 速い経過のシスプス電位 / 遅い経過のシナプス電位 / ノルアドレナリン / 細胞内情報伝達 |
研究概要 |
1.ネコ脊髄側角の興奮性アミノ酸とノルアドレナリン遊離 ガスクロマトグラフ法により側角スライスのグルタメイトとアスパ-テイトの自発、誘発遊離を測定し、その結果をNeuroscienceに投稿した。また、高速液体クロマトグラフ法によってノルアドレナリンの遊離を測定し、刺激頻度と発射量の関係を明らかにした。 2.ネコ脊髄側角ニュ-ロンのfast EPSPとfast IPSPの発生に与る受容体と緩徐シナプス電位を仲介するシグナルトランスダクション Fast EPSPを仲介するシナプス下膜のGlu受容体は、70%の細胞においてnonーNMDA型のAMPち亜型で、30%の細胞においてNMDA型とnonーNMDA型が共存することが同定された。非シナプス膜のグルタメイト受容体はカイネイト型か全く新しい型の受容体であることが示唆された。Fast IPSPの化学受容体は殆どがグリシン型で、僅少のものがGABAーA型である。Slow EPSPはα_1受容体を介するprotein kinaseC系により、slow IPSPはα_2受容体を介するGタンパクのKチャネル直接作用によって生じることが確認された。 3.ノルアドレナリンによるシナプス前抑制 側角ニュ-ロンのfast EPSPが、ノルアドレナリンによってシナプス前性に抑制されるメカニズムを解析し、グルタメイト神経終末における発射確率の低下に起因する結果を得た。 4.マイスナ-神経細胞のslow IPSPを発生させる細胞内伝達機序 ノルアドレナリンによるGタンパク活性化とKイオン透過性上昇をきたすメカニズムを詳しく検討し、ノルアドレナリン誘起外向き電流は受容体GタンパクによるKチャネルの開孔のみでなく、このKチャネルと細胞内Ca依存性Kチャネルの両者の活性化によって発生することを見出した。結果はJ.Physipl,(Lond)に受理された。
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