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1988 年度 実績報告書

新しい代謝調節型グルタミン酸受容体の性質と生理機能

研究課題

研究課題/領域番号 63480110
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

杉山 博之  岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (20124224)

研究分担者 岡田 大助  岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 非常勤講師
中山 孝  岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (90150060)
古家 喜四夫  岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (40132740)
キーワードグルタミン酸受容体 / 興奮性アミノ酸 / イノシトールリン脂質
研究概要

本研究は、中枢神経系におけるグルタミン酸受容体、特に我々が最近新たに見い出した、セカンドメッセンジャーを介して機能するタイプのグルタミン酸受容体について、生理学的、薬理学的、生化学的な解析を行なうことを目的とする。この目的のため、本年度はより単純なモデル系を用いて基礎的な検討を行った。
(1)我々は、脳mRNAを注入したアフリカツメガエル卵母細胞を用いて上記のGlu受容体を見い出した。本年度は、この系を用いて、この受容体のより詳細な薬理学的特徴付けを行ない、この受容体が従来知られていたグルタミン酸受容体とは薬理学的に全く異なった種類に属するものであることを明らかにした。
(2)ラット脳海馬の培養神経細胞を用い、fura-2蛍光測定法によって細胞内Ca^<2+>の変動をリアルタイムで追跡することを試み、このGlu受容体が卵母細胞だけでなく、実際の脳神経細胞においても、Gタンパクを介して機能し、細胞内Ca^<2+>の動員を引き起こすことを明らかにした。
(3)脳の記憶、学習等の機能は現在、シナプスの可塑性という形で追求されている。特に、シナプスの「長期増強」と呼ばれる現象は、その細胞レベルのモデルとして注目されている。ラット脳海馬の新鮮スライス標本を用いた電気生理学的検討によって、長期増強がGタンパク質の機能を阻害すると抑制されることを見いだした。このことはGタンパク質が、そしてGタンパク質と共役して機能するこのGlu受容体がなんらかの形で長期増強のメカニズムに重要な関わりがあることを示す結果であると考えられる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Ito,I: Journal of Cellular Physiology. 134. 155-160 (1988)

  • [文献書誌] Ito,I: Neuroscience Letters. 90. 181-185 (1988)

  • [文献書誌] Hirono,C: Neuroscience Research. 6. 106-114 (1988)

  • [文献書誌] Furuya,S.: Journal of Physiology. (1989)

  • [文献書誌] Okada,D: Neuroscience Letters. (1989)

  • [文献書誌] Sugiyama,H: "Frontiers in Excitatory Amino Acid Research" Alan R.Liss.Inc., 21-28 (1988)

  • [文献書誌] 杉山博之: "神経情報伝達分子" 培風館, 19-25 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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