研究課題/領域番号 |
63480118
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
山下 博 産業医科大学, 医学部, 教授 (00030841)
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研究分担者 |
大坂 寿雅 産業医科大学, 医学部, 助手 (30152101)
稲永 清敏 産業医科大学, 医学部, 講師 (90131903)
河南 洋 産業医科大学, 医学部, 助教授 (00049058)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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キーワード | 脳薄切標本 / 神経ペプチド / 神経分泌ニュ-ロン / ネコ・ラット急性実験 / 神経回路網 / 覚醒ラット / 賢交感神経 |
研究概要 |
1.ラット脳薄切(スライス)を用いた細胞内・細胞外記録による解析。(1)心房性ナトリウム利尿ホルモン(ANP)は脳弓下器官(SFO)ニュ-ロンでアンギオテンシン(AII)による興奮反応を減弱あるいは消失させた。(2)副賢摘出ラットの室傍核(PVN)ニュ-ロン活動はコルチゾ-ルにより抑制された。ノルアドレナリンで誘発された興奮反応はコルチゾ-ルにより抑制された。(3)TRHは多くのPVNニュ-ロンに対して低い閾値濃度で興奮させた。(4)オピオイドのκアゴニストは視索上核(SON)のオキシトシン(OT)・バゾプレッシン(AVP)分泌ニュ-ロンを抑制し、σ・μアゴニストはOT分泌ニュ-ロンを選択的に抑制した。(5)脳ナトリウム利尿ホルモンはSON・第3脳室前壁側部(AV3V)ニュ-ロンをANPと同様に抑制した。2.急性実験での神経回路網の解析とこの回路におけるペプチドの役割の解明。(1)ネコPVN神経分泌ニュ-ロンはSFO、OVLT、POMnから抑制入力を受けていた。SFOニュ-ロンはAV3Vへ直接軸索投射し、AV3Vからは抑制入力を受けていた。(2)ラットPVN神経分泌ニュ-ロンの30%に浸透圧感受性があった。(3)ラットPVNのOTニュ-ロンは胃から迷走神経を介して主に興奮性入力を、AVPニュ-ロンは抑制性入力を受け、その伝達経路に脳内カテコラミン系が関与していることが示唆された。3.麻酔下および無麻酔下で微少量のペプチドの脳内投与による効果を自律神経系の活動を指標として解析。(1)覚醒ラットにAIIを脳室内投与すると血圧上昇、心拍数と賢交感神経活動(RSNA)は抑制された。(2)ANPはAIIによる昇圧作用を減弱させたが徐脈とRSNA抑制反応には有意な影響を与えなかった。(3)エンドセリン投与により血圧上昇、心拍数とRSNAを減少した。
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