研究課題/領域番号 |
63480119
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高折 修二 京都大学, 医学部, 教授 (10025538)
|
研究分担者 |
石原 熊寿 京都大学, 医学部, 助手 (20212912)
氏原 久光 京都大学, 医学部, 助手 (00213421)
原 満良 京都大学, 医学部, 助手 (50192282)
赤池 昭紀 京都大学, 医学部, 講師 (80135558)
笹 征史 京都大学, 医学部, 助教授 (20025654)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
キーワード | 尾状核 / 前庭神経核 / アセチルコリン / ムスカリン受容体 / ド-パミン受容体 / 細胞内記録 |
研究概要 |
尾状核および前庭神経核ニュ-ロンにおけるアセチルコリン受容体の調節機構を検討するために、ラット脳スライス標本を用いて電気生理学的研究を行った。カルバコ-ルおよびムスカリンはいずれも尾状核内の局所刺激によって順行性に誘発される細胞外記録活動電位を用量依存的に抑制した。アセチルコリンをフィゾスチグミンの共存下に投与すると、この順行性活動電位は同様に抑制された。しかし、ニコチンはこのニュ-ロン活動に対し無影響であった。カルバコ-ルおよびムスカリンは興奮性シナプス後電位の振幅を減少させ細胞内への脱分極パルスにより誘発される活動電位の数を増加させたが、一方ニコチンはこれらの電位に影響を与えなかった。カルバコ-ルのこれらの効果はアトロピンによって遮断された。これらの成績は尾状核ニュ-ロンのシナプス前および後部にはムスカリン受容体が存在し、それぞれムスカリン作動性の抑制および興奮を仲介していることを示している。ド-パミンD-2受容体作動薬であるブロモクリプチンは尾状核の膜電位の脱分極をおこし、自発性発火および細胞内に与えた脱分極パルスによって誘発される活動電位数を増加させた。このブロモクリプチンによっておこる興奮はD-2受容体拮抗薬であるドンペリドンおよびハロペリド-ルによって拮抗されたが、D-1受容体拮抗薬であるSCH23390では変化しなかった。前庭神経内側核ニュ-ロンは自発性に発火するが、カルバコ-ルはこの自発性発火を用量依存性に増加した。アトロピンの前処置はこのカルバルコ-ルによる興奮を遮断した。また、フイゾスチグミン存在下にアセチルコリンを与えると発火数は増加したが、ニコチンは無影響であった。これらの成績から、前庭神経内側核において自発性に活動するニュ-ロンの発火数はムスカリン受容体を介してアセチルコリンによって調節されていると考えられる。
|