研究課題/領域番号 |
63480120
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福井 裕行 大阪大学, 医学部, 助教授 (90112052)
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研究分担者 |
田口 吉孝 大阪大学, 医学部, 助手 (80192160)
竹村 基彦 大阪大学, 医学部, 助手 (70207009)
大和谷 厚 大阪大学, 医学部, 助教授 (30116123)
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キーワード | ヒスタミン / H_1受容体 / 初代培養 / Fura 2 / イノシト-ルリン酸 / 精製 / チトクロ-ムP450 / アストログリア細胞 |
研究概要 |
1)ヒスタミン受容体の精製、蛋白構造の解明:ラット肝において他の組織に比べて多量に存在する[^3H]メピラミン結合蛋白を大量に(約50μg)精製した。精製[^3H]メピラミン結合蛋白はSDSポリアクリルアミド電気泳動において分子量56Kの単一の蛋白バンドを示した。精製[^3H]メピラミン結合蛋白をカルボキシメチル化後、トリプシンにより消化した。12個のトリプシンペプチドを精製し、それぞれのアミノ酸配列を決定した。それぞれのアミノ酸配列を既に一次構造が決定されている蛋白との相同性を比較した。その結果チトクロ-ムP450の一種であるデブリソキン4ー水酸化酵素の一次構造に12個のペプチドのアミノ酸配列が全て含まれることが明らかとなった。デブリソキン4ー水酸化酵素の基質はラット肝[^3H]メピラミン結合蛋白に親和性があった。しかし、それらの基質はモルモット脳[^3H]メピラミン結合蛋白にも親和性を示した。 2)培養アストログリア細胞のヒスタミンH_1受容体の性質および伝達機構:初代培養アストログリア細胞は[^3H]メピラミン結合部位を有した。[^3H]メピラミンに対する親和性(K_D=10.2nM)はラット脳と同様であり、最大結合量(Bmax=262 fmol/mg蛋白)は脳平均よりやや高い。種々のH_1拮抗薬による阻害実験よりこの結合部位ヒスタミンH_1受容体であると結論された。次いで、培養アストログリア細胞を1型、2型に分離し、Fura2を用いるCa^<++>蛍光シグナルを観察した。ヒスタミンH_1受容体を介して1型、2型のそれぞれ17%および73%の細胞にCa^<++>動員を引きおこした。Ca^<++>シグナルのパタ-ンは更に5種に分類された。他の神経伝達物質によっても同様のCa^<++>シグナルパタ-ンが見られたが、細胞のスペクトルは異なった。ヒスタミンは培養アストログリア細胞のイノシト-ルリン酸の蓄積も刺激した。
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